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「妊娠・出産」にかかるお金を知る

こんにちは。ミライ・イノベーションnote編集部です。

突然ですが、あなたの人生におけるターニングポイントはいつですか?
就学?就職?結婚?……様々ありますが、そこには必ず「お金」も関わっています。
下図はライフステージの一例です。

前回は、「結婚にかかるお金」について特集しました。

今回は、妊娠・出産にかかるお金について特集します!

妊娠がわかってから出産に至るまでには、さまざまな出費がともないます。
何にどのくらいのお金がかかるのか、早速見てみましょう。

1.妊娠・出産にかかるお金

(1)ブライダルチェック

ブライダルチェックは、妊娠・出産にあたり、性感染症、子宮頸がんなどの重大な疾患がないかを確認する目的で行うものです。検査内容は扱う医療機関等により様々ですが、血液検査・乳がん検査・子宮(頸)がん検査などを行います。妊娠前に体のトラブルをあぶりだしておくことで、妊娠しやすい体づくりを始めることも可能です。
検査費用は自己負担となりますが、妊娠したいと思ったらブライダルチェックの受診を検討してみてもよいでしょう。

(2)予防接種

ブライダルチェックをしていなくても、必ず済ませておきたいのが風疹の予防接種です。妊婦が風疹にかかってしまうと、胎児へ影響があると言われています。
妊婦・パートナーへの風疹抗体検査および予防接種は、自治体の助成があるケースがほとんどです。風疹の予防接種を受けた後は、おなかの中の赤ちゃんへの影響をできるだけ避けるため、接種後2カ月程度の避妊が必要です。妊娠を考え始めたら、すぐに予防接種を済ませておくことをおすすめします。

(3)妊婦定期健診

妊娠がわかると、胎児と母体の健康をチェックするため、医療機関で定期健診が行われます。
出産までの検診の回数は14回ほどで、1回の健診につき数千円~約1万円かかります。妊婦定期健診は保険適用外ですが、自治体による助成があります。自治体によって助成回数や助成金額は異なりますが、これにより、自己負担を抑えて定期健診を受けることができます。
なお、定期健診のほか、スクリーニング検査・羊水検査などの検査を別途行う場合は、その分の費用がかかります。

(4)入院・分娩

正常分娩の場合の自己負担額の全国平均は、およそ50.5万円(=下図参照)です。
この額は正常分娩の場合ですが、帝王切開での分娩や無痛分娩などの場合は、その分の費用がここに上乗せされることになります。

また、出産する施設によっても、かかる費用は異なります。

一般的に、様々な設備が整う大学病院・総合病院や、独自のサービスを展開する個人産院での出産費用は高額になる傾向があります。

一方で、医師が常駐しない助産院は、自然分娩のみを扱い、費用を抑えられる傾向にあります。そのため、自然分娩を希望し出産までの経過が順調な妊婦には適していますが、無痛分娩を希望していたり、医師の処置が必要なハイリスク妊婦には不向きと言えます。

さらに、分娩方法によっても費用に差があります。

■ 自然分娩
: 特別な医療措置を必要とせずに行う分娩方法

● 出産は「病気ではない」との考え方から、保険は適用されず自費負担

■ 帝王切開
:手術により赤ちゃんを取り出す分娩方法

● 前置胎盤、逆子、多児妊娠など、健診の段階から帝王切開を検討する場合もある
● 赤ちゃんや母体に命の危険がある場合に緊急で帝王切開を行う場合もある

帝王切開は医師の処置のもと執り行われます。そのため、医療行為に当たり保険が適用されます。また、帝王切開の場合は、自然分娩での出産よりも長い日数入院するケースが多いため、入院にかかる費用が高くなる傾向があります。

■ 無痛分娩・和通分娩
: 分娩時に痛みを抑えるために麻酔を使用する分娩方法

● 母親が希望しすることができる
● 麻酔を用いるものの全て自費負担

無痛分娩・和通分娩での分娩費用は自然分娩よりも高額になるケースが多く、病院やクリニックによって費用設定も様々です。また、病院によっては無痛分娩・和通分娩を実施していない所もあります。

2.妊娠・出産でもらえるお金

妊娠・出産には50万円近くのお金がかかります。
一方で、妊娠・出産でもらえる(戻ってくる)お金もあります。

◆もらえるお金

(1)出産育児一時金

出産育児一時金とは、公的医療保険に加入している被保険者・被扶養者が出産した場合、国から一児につき42万円(産科医療補償制度の対象の場合)が支給されます。

妊娠4カ月目(85日目)以降であれば、支給対象となります。また、正常分娩や帝王切開等による分娩だけでなく、流産、早産、死産、人工妊娠中絶も含まれます。

MEMO:産科医療補償制度
分娩に関連して重度脳性麻痺等となった赤ちゃんが速やかに補償を受けられる制度で、分娩を取り扱う医療機関等が加入する制度。

(2)出産手当金

出産手当金とは、職場の健康保険に加入している本人がもらえるお金です。
出産のため仕事を休み、給与の支払いがなかった期間を対象として、その間の生活保障の意味で支給されます。
正社員として働いている方だけでなく、非正規雇用の方でも勤務先の健康保険に加入していれば支給対象となります。

支給金額は、働いているときのお給料のおよそ3分の2程度です。
そのため一律金額ではなく働くママの収入によって異なります。

また、出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で支給されます。

(3)育児休業給付金

育児休業給付金とは、雇用保険に加入する本人が申請し、育児休業中に支給されるお金のことです。
働くママが出産後に育児休業(いわゆる育休)に入ったとき、働いていないため会社からは給与が発生しません。育児休業給付金は、その代わりに、休業期間に無収入にならないよう国が支給するものです。
なお、パパが育休を取得した場合も受給の対象となります。

支給金額は一律ではなく、休業開始時の賃金日額によって異なり、
育児休業開始時の賃金日額×支給日数×67%に相当する額が支給されます。
(育児休業開始から180日経過後は50%)

このように、ママの働き方や、健康保険・雇用保険に加入しているかどうかによりもらえるお金が変わってきます。

◆戻ってくるお金

妊娠中は、定期健診等での通院のほか、悪阻による入院、(緊急)帝王切開等の手術など、予期せぬ入院や手術の可能性が高まる年でもあります。
このような場合は医療費がさらに高額になります。そんなときに活用したいのが、医療費控除高額療養費制度です。

(1)医療費控除

医療費控除は、支払った医療費が10万円以上もしくは総所得の5%以上のときは、支払った医療費の金額に応じて税金を再計算し、所得税の還付を受けられる制度です。

(2)高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヶ月(1日~末日まで)で自己負担限度額を超えた場合に、その超えた額について請求すれば返金を受けることができる制度です。
高額療養費制度を事前申請し活用する場合は、窓口での自己負担を最大限に軽減することができます。

3.さいごに

 2022年4月より、不妊治療における基本治療が保険適用となりました。
治療開始時において女性の年齢が43歳未満であることや、回数の上限が定められていますが、高額療養費制度も対象となります。
妊娠・出産・子育てにはお金がかかります。安心して赤ちゃんを迎えられるよう、国や自治体、会社が用意している様々な制度を活用しましょう。

次回は、教育にかかるお金を特集します。お楽しみに!


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