
徹底解説!住宅ローン減税 2021
こんにちは。ミライ・イノベーションnote編集部です。
前回に続き、今回も住宅購入について特集します。
住宅ローンの選び方についてはこちらの記事でくわしく解説しています◎
そして今回のテーマは住宅ローン減税!
住宅ローン減税を活用すればその節税効果は大きく、マイホームを取得した場合などにはぜひ活用したい制度です。
また、住宅ローン減税は2022年度の税制改正により、控除額が見直されることも決まっています。現行制度をしっかりと活用するための注意点や、知っておきたいポイントもあわせて解説します。
1.住宅ローン減税
(1)住宅ローン減税とは
住宅ローン減税(「住宅借入金等特別控除」「住宅ローン控除」とも呼ばれます)は、住宅ローン等を利用してマイホームを新築・取得・増改築等をした場合に一定の要件を満たすと、原則10年間で最大400万円の所得税の税額控除を受けられる制度です。
また、マンションや一戸建ての新築住宅だけでなく、中古住宅やリフォームでも、要件を満たせば利用することが可能です。
(2)主な適用要件
住宅ローン減税を適用するための主な要件は次の通りです。

また、店舗兼住宅にも住宅部分に限り適用が可能です。
このように、適用には細かな条件が設けられています。取得したマイホームが住宅ローン減税の適用を受けられるかどうかは、きちんと確認する必要があります。
(3)適用期間
現行の制度では、控除期間は最長10年間です。
なお、消費税10%への引き上げに伴い、2019年10月1日~2020年12月31日の間に入居した場合、特例措置により税額控除を13年間受けることができます。
また、新型コロナウイルス感染症等の影響で、控除対象となる住宅の取得等の後に入居が遅れた場合も、控除期間13年の特例の適用を受けることができます。
さらにその後の2021年度の税制改正でも控除期間13年間の措置が再延長されました。
したがって、当初は2020年12月31日までだった入居の対象期間が2年間延長され、現行制度では2022年12月31日までとなっています。
そして、この延長した部分に限り、合計所得金額が1,000万円以下の人については面積要件を緩和し、床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅も対象となりました。

※上図は、2021年度までの住宅ローン適用期間。
2022年度の税制改正では、控除額や適用期間が見直されます。
(4)控除額
住宅ローン減税の控除額は、年度や要件によって異なります。
原則は、住宅ローンの年末残高の1%(上限40万円)が所得税から控除額されます。消費税10%適用の住宅を取得した場合は、延長された3年間については次のような計算式により控除額を算出します。

2022年度の税制改正では、控除額や適用期間が見直されます。
◆住宅ローン減税でいくらお金が戻ってくる?
ここで注意しておきたいのが、控除可能額は計算上の控除額であり、その全額が差し引かれるとは限らない、ということです。
住宅ローン減税ではまず所得税から控除されますが、所得税だけでは控除しきれなかった場合には翌年度の住民税からも控除されます。
また、住民税から控除される上限額も決まっており、前年分の所得税の課税総所得金額等の7%で、13万6,500円が上限とされています(※消費税8% or 10%が適用の場合)。
それでは、住宅ローン減税でいくらお金が戻ってくるのかケースごとに確認してみましょう。
例1:納税額以上の控除はできない

例1は、計算上の控除額(27万円)よりも、納税額(所得税+住民税=25万円)が下回っています。そのため、納税額については満額還付されるものの、控除しきれない残額が発生してしまったケースです。この場合、控除しきれなかった残額は翌年へ繰越すことはできません。
住宅ローン減税は納めた税額に対する軽減制度ですから、納税額以上の控除はできないことに注意しましょう。
例2:住民税の控除上限に注意

例2は、計算上の控除額(35万円)と納税額(所得税+住民税=35万円)が同額です。しかし、住民税の控除上限(13万6,500円)があるために、住民税については満額控除できないケースです。このように、計算上の控除額と納税額が同額であっても、納税額のすべてが差し引かれるわけではありません。
所得税だけでは控除しきれず住民税からも控除する場合は、住民税の控除上限にも注意する必要があります。
例3:40万円の控除をフルに活用できるケースもある

例3では、年末残高の1%(50万円)が、控除限度額(40万円)を超えたため、控除額が40万円に修正されています。このとき、所得税(40万円)から満額控除できたので住民税からの控除はありませんが、年間の控除限度額である40万円をフルに活用できています。そのため、10年間で400万円の控除が可能となり、住宅ローン減税の恩恵を最大限に享受できるケースと言えます。
以上のように、住宅ローン残高や納税額によって、住宅ローン減税をフルで使える場合と使えない場合、また還付額に差があるのです。
ここまで詳しく計算してみましたが、実は、住宅ローン減税で戻ってくる額(還付される額)をさらにわかりやすく単純化することができます。

この速算を覚えておくとダイレクトに計算することができて便利ですね。ただし、住民税の控除限度額に注意してくださいね。
(5)適用手続き
住宅ローン減税の適用を受けるには、一定の手続きが必要です。
住宅ローン減税の適用を受ける最初の年は、会社員・自営業やフリーランス等の個人事業主ともに「確定申告」が必要です。確定申告できる期間は、原則として2月16日~3月15日と決められているので、期間内に手続きを行いましょう。なお2年目以降は、会社員であれば勤務先で行う「年末調整」で控除を受けることができます。
2.すまい給付金
以上のように住宅ローン減税は、支払う税金(所得税・住民税)が安くなる制度です。そのため、収入が低くそもそも支払っている税金が少ない人は減税額も小さくなってしまい、その減税効果を実感しづらい制度とも言えるのです。
そこで、導入されたのが「すまい給付金」です。
すまい給付金制度は、住宅ローン減税では負担軽減効果が十分に発揮されていない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減を図るものです。
次のように、一定の年収以下の人は所得に応じて給付金をもらうことができます。
◆消費税率8%時
:収入額の目安が510万円以下の人を対象に最大30万円を給付
◆消費税10%時
:収入額の目安が775万円以下の人を対象に最大50万円を給付
すまい給付金制度も住宅ローン減税と同じく、該当するのであればぜひ活用したい制度ですね。
すまい給付金を受け取るのにも一定の要件がありますので、まずはご自身が対象かどうか確認してみてくださいね。
また、国土交通省が運営しているすまい給付金の公式サイトには、いくら給付金をもらえるのかシミュレーションを行うことができますよ。
なお、すまい給付金制度も、住宅ローン減税の制度改正にともない内容が変更される見通しです。
3.さいごに
いかがでしたか?
節税効果の大きい住宅ローン減税。新築住宅だけでなく、さまざまな仕様の住宅にも適用できるのも魅力ですね。
次回は、住宅ローン減税を利用する際の注意点についてもくわしく解説します!お楽しみに!

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