私が恋したのは…
私が中学三年生のときに好きになった人は、
9つ上の体育の先生だった。
この恋はとても甘くて切ない、そんな恋だった。
その先生と出会ったのは、中学三年生の二学期。
前の体育の先生が産休で休暇をとるため、臨時で入った先生だった。
先生の初めの挨拶の時は気にもかけていなかった。
でもだんだんと話していくうちに惹かれていった。
先生はとても運動神経が良く、生徒からも人気の先生だった。
若くて爽やかだったため、女子生徒からは特に人気だった。
昼休みに職員室の前で出待ちをする子がいるほど。
私はそんな人気の先生に近づくのが苦手で、
ただただ見ているしかなかった。
何度も諦めようとしたが、
先生がいつも話しかけてくれるので諦められなかった。
先生の声はいつも落ち着く。
身長も高く、少し意地悪な部分もある。
私的には理想の人だった。
それに、大人の余裕にも惹かれたのだろうと、
今になって思う。
でも、アピールができないまま受験シーズンに入った。
私の志望校は工業高校で偏差値は普通ぐらいだったが、
私が勉強が苦手で、
塾にも通って毎日頑張っていたが、とても不安だった。
そんな時に先生は、
「未来なら大丈夫受かるよ。」
そう言ってくれた。
私はとても嬉しかった。
この言葉を糧に日々頑張り、
遂に受験前日。
私は先生にお願いをしようと思っていたことがあった。
それは、
先生のシャープペンシルを借りることだ。
先生のシャープペンシルを使って頑張ろうと思った。
私は勇気を出して先生にお願いを伝えた。
先生は少し驚いていたが、快くOKしてくれた。
シャープペンシルを受け取るとき、
先生が「未来に渡したい物がある。」と言った。
なんだろうと思いながら職員室前で待っていると、
先生が何かを持って出てきた。
「はい。」
私の手の上にあったのは先生のシャープペンシルと、
お守りだった。
私はとても驚いた。
「いつも未来が頑張っていたから。」
そう言って先生はまた職員室へ戻って行った。
このシャープペンシルとお守りのおかげで志望校に合格。
無事卒業式を迎えることができた。
卒業式が終わったあと私は先生を呼び出した。
この恋は叶わなくてもいいから絶対に気持ちを伝えたいと思って、
手紙を書いた。
緊張しながら待っていると、
スーツ姿の先生が来た。
私はシャープペンシルを返し、
「先生に手紙書きました。また読んでください。」
と言って渡した。
先生は満面の笑みで、
「ありがとう。未来。」
と言って去っていった。
それ以来連絡もなにもないが、
私にとっては最高の思い出。
恋愛ドラマのような恋だった。
この恋は一生忘れないだろう。
先生大好きでした。
嘘のようで本当の恋。
戻りたいな…。
(2022.02.18.)
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