「超逆歳の差カップルのリセットライフ」リアルストーリー～回想２１～💜刹那い関係
２０２３年８月
（回想20からの続き）
トラブルから１か月が過ぎた８月・・・
ケンを北海道へ送り出しました。
私の緊張しきっていた精神状態がプツリと切れ、
魂の抜け殻のようになりました。
その頃の１年間の同棲を
今になって表現するなら・・・
最初は晴天の空を意気揚々と
舞っていた元気な風船が
しだいに雲行きが怪しくなり
何日も何日も長い間
雨や強風の中をヨレヨレ飛ばされ
ついに力尽き果て
ヒョロヒョロと空気が抜けだし
危なっかしく頑張っているが
結局、嵐の中の海にドボンと落下
そして荒波の中で
激しい渦にグルグルと巻かれ
生き耐える寸前に砂浜に
打ち上げられてゴミ化してしまう
極めつけは
人々に、これでもかと踏みつけられボロボロなってしまうが
ゴムの為になかなか風化できない・・・（泣）
なんとも煮え切れない
惨めな同棲の結末は？
こんな心境でした。
やはり５０代の私には
１０代や２０代に失恋した後のような復帰力は全くなく・・・
ひっそりとしてしまった部屋で
数日間は寝込んでしまいました。
心配した友人達は
気乗りしない
私を食事に連れて出してくれました。
「ミライ、元気だして！
昔から打たれ強いんだからさ何とかなるってーーー」っと
はじけている友人達は
勝手に婚活パーティーのサイトに予約を入れようとしているので
「やめてーーーー
そんな気分になんか全然なれないし
もう学生の時とは違うんだから・・・泣」
いつも、いじられキャラの私がまったくもって
笑う余裕も無く落ち込んでいる姿に
皆もいささかビックリしてました。
結局、大人ぶって
ケンを私から解放してあげて
自由な選択ができる人生へと
導いたのは自分なのに・・・
離れてみると・・・
ケンが恋しくて悲しくなるばかりでした。
～回想２１ 切ない関係～ （回想２０からの続き）
２０２３年８月
まさか・・
一年前にケンを迎い入れた空港で
一年後に送り出すとは予期していなかった
そしてやはり・・・
見送られる方より
見送る方が虚しい・・・
そう実感させられた
一方、ケンの方は
１年ぶりに戻った地元で
家族や友人にも歓迎され
温泉に行ったりグルメ食事の
写真やメールを送ってくれた。
「懐かしいだろ？ 来るか？
きれいな観光地はやっぱり
ミライと一緒に行ったから楽しかったな」
「そう？羨ましいな・・
でも仕事があるから行けないよ・・・」
ついこの間までとは
全く違うよそよそしいメールの会話も
北海道での過ごした二人の幸せな時間も
まるで昔の出来事のように感じてしまった。
そしてネガティブスパイラルに
どっぶりと浸かり始めた
私が日本でのセカンドライフを
スタートさせたかったのは
こんなはずでなかったのに
ケンは現実の世界に戻り
何もなかったかのように
明るい未来に前進してゆくのに
私は傷心し
後退していってしまいそう・・・
時折、夜にケンから電話があった
「ミライ、元気か？」
「うん、忙しくしているよ・・・」
もちろん、以前の様に会話ははずまない・・
刹那い関係に・・
お互いが寂しくて仕方なかった
私は心の中でケンに問いかけた
やっと頑張って一緒に人生を始めたのに？
なせ？裏切ったの？
こんな運命だったら・・・
出逢いたくなかった