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せいかつの軌跡(30)

初めて保育園行事に参加した。ファミリーデーというもので、お家の人と園児、保育士さんたちがリズム体操などをするらしい。

少し遅刻して会場の体育館に着くと、写真撮影が終わったところでちょっとホッとした。集団での記念撮影はあまり好きじゃない。

歌って踊る保育士さんを中心に輪になって、リズムに合わせた体操や手遊びが始まった。気分が乗らない様子のトモシは、終始ほぼ無表情。私の耳元でボソッと呟く。

「つまんない。帰っていい?」

今日の彼は踊る気分じゃないらしい。何度もこう言うので、途中で帰ることにした。傷つくこともあるけど、正直な言動は好きだ。

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車で新しく購入したジャズのアルバムを聴きながら、グビグビおっぱいを飲んだ後、彼はまた一言呟いた。

「こっちのオンガクのほうが、いいね。ほんものの、ジャズ。」

二歳児らしからぬ?発言に耳を疑った。

確かに、先日一緒に行ったジャズライブは最高だったけど、、、あんた誰。

トモシは時々、何というかオトナみたいな、誰か別の人が喋っているようなことを言う。彼はまだ見えない世界と繋がっていたり、未来と現在を行ったり来たりしているのかもしれない。


その夜、授乳を何度もせがむトモシに聞いてみた。

み「なんで、そんなにいつもおっぱい飲みたいの?」

灯「うーん、、、クスリ、だから。」


言の葉を踏み鳴らす天に泳ぐ鯖

つまらない今、君も本物

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