せいかつの軌跡（14）

さんぽの達人

晴れの土曜日、子どもたちと散歩に出た。行き先もルートも、彼らの気分次第。今日は近所の先輩移住者さんのお宅へ、自転車で向かうらしい。

日差しはまだ強いけれど、時々吹く風の涼しさに秋の訪れを感じる。黄金色の田んぼを飛び回るトンボやコオロギを見つける度に、子どもたちは大興奮。一人でも誰かと一緒でも、お散歩は楽しいな。

何度も通ったことのある道でも、彼らと歩くと新鮮な喜びや発見と出会う。小さな指を指し、体いっぱいの大きな声で、世界のおもしろいもの・うつくしいものを教えてくれる。たぶん君たちは「さんぽの達人」だと思う。

進んでは立ち止まり、転んでは起き上がる。くっついたり離れたり、怒って泣いて笑って。目的のお宅で、自家製梅ソーダとおやつを頂いて。
達人たちによるお散歩道は、今日も完璧だった。
何でもないけど何でもあるような、こういう時間。これからも大切にしていけるといいな。命短し、遊ぼうおやこ。

【今日のうた】
転んでは起き泣き笑い道を行く
小さな人は黄金に染まる