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鎌倉ほのぼの散歩 二十三番「高徳院」

 これまでのおはなし。息子の中受の重圧から神頼みに走ったみらい。友達の空ちゃんを誘って鎌倉三十三観音様のお参りに行くことにしました。道案内のナビ子に翻弄されつつも、残りあと二十八観音様です。

鎌倉三十三観音様参り、3日目

 本日ハ晴天ナリ。雲一つない青空の下、この日は華やかな観光地方面へと参ります。最初に目指したのは「高徳院」、かの有名な鎌倉の大仏様のおわすところです。

 ちなみにここまでの間に、少々説明が不足していたところがありました。御朱印をもらう際は、300円をお納めするとともに、「般若心経の代わり」となる小さなお札に、住所氏名参拝日を書いて一緒にお納めするのが決まりです。

 「きっかけ」でも書きましたが、私の母の時のように、本来はその場で般若心経を唱えるのが正しい参拝の仕方です。写経をお納めするのでもOK。鎌倉は、多い時はかなりの人数が参拝するので、ひとりひとりが正式な参拝をしていると滞ってしまうことがありますし、様々な事情から、このような形式を取っていると思われます。

 宗派によっては(浄土真宗、法華宗、日蓮宗など)般若心経を唱えないお寺もありますが、基本、般若心経は宗派を問わずどこでも唱えられるオールマイティなお経。唱えない宗派も「絶対ダメ」なわけではなく「必要不可欠なお経としては選んでいない」程度です。「観音経」はかなり古い時代の経典の中の一部で、観音信仰と密接なつながりがあるため、こうした「観音様参り」で唱えられていると考えられます。

 ちなみに「般若心経」を、何かすごいお経!ご利益!効果絶大!みたいに思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、「悟りを開いたお釈迦様(仏陀目覚めた人)が智慧第一と讃えられたシャーリープッタさんというお弟子さんに語り掛ける形で一般の人に教えてくれる智慧(心の持ち方、生き方)のお話」であって、オカルティックなことは別にありません。

 さて、やってまいりました大仏様。さすがにナビ子がいなくてもたどり着ける超有名寺。大きいです。室町時代には大仏様が安置されていた大仏殿が津波で流されたそうで、大きな震災のたびに少しずつ場所がずれていたりするようですが、度重なる天災にも負けずにそこにいらっしゃる姿は壮麗そのもの。実は大好きなんですよね、鎌倉の大仏様。

 裏手に回ると、与謝野晶子が詠んだ歌碑があります。

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かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は 美男におはす夏木立かな 晶子

 うん、わかる。鎌倉の大仏様はイケメンだよね。これに対し川端康成が「釈迦牟尼じゃなくて阿弥陀如来だろ、間違いだろ」と指摘したらしく、なんかやーねー、と思います。与謝野晶子は謙虚にも慌てて「釈迦牟尼」のところを「おすがた」と直したらしいのですが、やっぱりそれだと魅力が半減。歌人の吉野秀雄が「歌として素晴らしいから釈迦牟尼でいいじゃないか」と与謝野晶子をかばったそうです。

 おっと。こんなところで引っ掛かっている場合ではありません。頼んでいた御朱印を引き取りにいかねばなりません。このお寺はなにしろ観光地中の観光地なので窓口も巨大でどきどきしました。番号札をもらうタイプです。

 そのほかにも、大わらじとか胎内巡りとか、裏手にいろんな碑があったり見ごたえたっぷりなのですが、観音様がいらっしゃるのは「観月堂」という朝鮮王宮から運ばれた建屋の中でした。こうした観光地では、順路があるためどうしてもお参りが後になるパターンがあります。

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 大仏様はとにかく大きいので、写真はかなり遠くから取らないと全体が入りません。青空が見事に映える日で、素敵な大仏様を激写。


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 この日はもうこの時点でかなりテンション高めの私。空ちゃんはそんなときもしっかり粛々と時間配分しつつ軌道修正。

 次は「長谷寺」にレッツらゴーです。

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