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みらっちと吉穂みらいの燃え尽きない青音色の話

 文学フリマの後は、いつも力尽きる。

 いつも、と書いたが、たかだか今回が2回目、ではある。
 青音色のメンバーと力を出し合った2回目。ウミネコ制作委員会さんに救われた2回目。

 ひとりじゃない、という、愛しさと切なさと心強さを学んだ。

 あ。申し訳ない。
 懐メロ脳になっている。

 やはり軽い「文学フリマ燃え尽き症候群」のただ中であるためか、脳が懐メロを求めており(懐メロは癒し効果絶大だとプレジデントオンラインかなんかに書いてあった)、さらに言えば創作は「詩」のほうにぐんと傾いている。詩しか浮かばない。しかも「歌詞」のような詩、特にオノマトペに強く反応している。

 思い浮かぶ言葉が、「てゅらてゅら」とか「びょおびょお」とか、そういったものばかり。これは、文学フリマ前からの現象だ。おそらくは、谷川俊太郎さんの逝去以後。もれなく、「ダンダダンダンダダン」や「ブリンバンバン」も牛のように反芻中だ。

 懐メロは、もしかしたら中山美穂さんの訃報も原因かもしれない。特別にファン、というわけではなかったけれど、私の世代は、アイドルとともに時代を駆け抜けた世代だ。同世代の大部分が、好むと好まざるとに関わらず「ヒットチャート」「トレンディドラマ」で育っている。インフルエンサーではなくメディアの仕掛け人にうまい具合に転がされて生きてきたのである。若いころにカラオケで歌を歌いまくった、同年齢の「みぽりん」の突然の死は、自分でも思いがけないほどショックだった。

 昨日まで元気でも明日が来なくなることが、現実にある、ということ。

 『世界中の誰よりきっと』『ただ泣きたくなるの』『WAKU WAKUさせて』『You're My Only Shinin' Star』『幸せになるために』
 ファン、というわけじゃないのに、歌えてしまう、というのはただ事じゃない。今の彼女のことを追いかけていなくても、かつて自分の若かった日の日常の中に、彼女の存在ががっちりと食い込んでいたことは認めないわけにはいかない。
 心からご冥福をお祈りいたします。

 さて、5月の文学フリマの時の「燃え尽き」とは違うけれど、ここまで書いたように何となく「ひとつの終わり」を噛みしめながら、ここ数日を過ごしている。

 その間、青音色の活動は止まっていない。

 といっても、海人さん(蒔田涼さん)と渡邊有さんが活動してくれているのに甘えているというのが現状。

 ぼやぼやしている間に、青音色の「BOOTH店」が立ち上がった。
 (立ち上がった、というか海人さんが起ち上げてくれた)。

 詳細は、海人さんの記事に詳しい。

 なんと有難いことに、完売したのみならず、「再販するんでしょうか?」「通販しますか?」という問い合わせが、引きも切らなかったのだ。

 BOOTH店では「予約」というシステムがある。良かったら、ご活用いただければと思う。

 もうひとつ、私の棚のある「PASSAGE吉穂堂」での販売もある。
 こちらの利点は、店舗で購入すれば送料がかからないこと。オンライン販売もあって、こちらはちょっとだけ送料が安い。ただ、予約はできない。

 残念!
 BASEなら登録していて買いやすいんだけれど、という方のために、なんとPASSAGEの棚主として知り合った「星文舎」さんの「BASE店」にも置いていただけることになった。

 増刷が完了し準備が整い次第、また記事でご連絡したいと思う。

 そう言えば、旅立った「青音色」、どうだったのだろうか。
 嬉しいことに、Xやメールなどで何人かの方から感想をいただいている。
 いや。どうだっただろうか、などと聞く前に、まず自分が読まなければならない。が。

 実は、私は今、本が読めていない。

 なん、というか、脳みそがつるつるしている。
 読もうとしても、目が滑って、うまく「浸かれ」ない。

 どうなってしまったのだろうか。
 「本に浸かる喜び」が、すっかり失われてしまっている。
 由々しき事態だ。

 本づくりばかりして、自分の文章ばかり読んでいると、なんだか同じところをぐるぐる回っているような気持ちになる。

 回転木馬のような。
 ハムスターの回し車のような。
 そんな気持ち。

 今やっていることに、少し、焦りがでてきているのだと思う。

 ――「本づくり」が終わらない。

 自己満足のための作品を、私は、あと何冊、校正し入稿するつもりなのだろうか。10万字、15万字、下手すれば50万字の長編作品ばかりで、いったい私は何をやってるんだろうか。しかも、校正していると新しい着想で創作することがなかなかできない。これは辛い。

ある意味壮観
なぜか塩野七生『ローマ人の物語』がある
夏目漱石『草枕』もあるけど
これは読もうと思って持ってきたら
字が細かすぎて読めなかったというシロモノ

 とりあえず、作ったので、良かったらどなたか、読んでみていただけないか。こちらなんか、いかがだろうか。新作である。

左のほうの
トキジクノカクノコノミ
を読んでくれる人は
おらんかね

 ・・・・・・はあ・・・・・・
 と言ったって、手に取って読むに至るには高いハードルが立ちはだかっているであろうことは重々、承知である。

 徒労、という言葉が頭をよぎる。
 でもこれをしてしまわないと、私は先に進めない。そう言う思いで、ひたすら「誰もしてないよこんな無駄なこと」をしている。

 そんなときに、力をくれるのがこの方のチャレンジだ。

 こんな壮大な「プロジェクトX」を、わたしの自作自演と一緒にしてはいけない。
 そう思いつつ、「なんのはなしですか」を後世に残すため、果敢に戦っている姿に、心をはげまされ、胸を打たれている。

 一緒にされても困っちゃうと思うけど、一緒にがんばろうね!

 と、心ですのうさんに話しかける毎日である。







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