資料紹介 J庭55新刊のために読んだ本
今回は趣向を変えまして、資料紹介です。
3/10のJ.GARDEN55で発行予定の新刊小説「硝子レンズは無色透明」
こちらを書くに当たってたくさんの資料を参考にさせていただきました。
ありがとう、先達の皆さま。
ありがとう、紙。
ありがとう、世界。
巻末に掲載した参考資料から、一部をご紹介します!
「〔フォトグラフィー〕メガネの歴史」
ジェシカ・グラスコック・著、黒木章人・訳、原書房
タイトル通り、発明から現代まで、メガネの歩みが多数の図録と共に紹介されています。
メガネは視力矯正器具であり、ファッションアイテムであり、知性の象徴であり、時代を表すアイコンでもある。ということがよく分かります。
ぼくは主に前半部分、近代までのメガネの変遷を参考にしました。十八世紀は世界にメガネが普及しましたが、鼻あてがないし、つるが変な形してるし、実用的なものは野暮ったい。上流階級が粋なファッションアイテムとして持ち歩いたものは、今度はアクセサリーとしての特性が強く、近眼のぼくから見るとまったく意味をなさなそう。
そんな感想を抱きながらも、実際に眼鏡を使っていた人たちを想像しました。
活版印刷が広まり、印刷物の文字が細かくて読むのが大変だった頃。学者は本を読むのに眼鏡が欠かせなかったとか。画家や文人は眼鏡をかけているもの、というイメージがあり、肖像画に眼鏡が必ず描き込まれたとか。
そんな情報から、アンリの憧れの人であるジャンの人物像が少しずつできていきました。
「メガネの歴史」には、さら現代までの変遷も記されています。歴史を踏まえて説明されると、ファッションコレクションで披露される奇抜なデザインにもその下地があるのだなと納得できる。
視力矯正器具だけではないメガネの多様性も可視化されます。単純に図録として見応えがありますので、ファッション好きさんにもおすすめの一冊です。
お洒落なサングラスほしい。
そんなお洒落なアイテムが似合う人間になりたい。
J庭55に参加します!
スペール:て03b
サークル:活字エンドルフィン
新刊「硝子レンズは無色透明」
サイズ:A5/62P/本編約36,000字+参考資料紹介
価格:500円(イベント価格)
~あらすじ~
ブルジョワ学者の息子・ジャンが、眼鏡職人アンリにおかしな注文をした。
「君の眼鏡を作ってほしい」
その眼鏡をかけると、アンリの周りに不可思議な現象が起きる。透明レンズのはずが、視界が急に色づいてみえて――非科学的なものを嫌悪するアンリが次第に「魔術に」巻き込まれていく。
ハートフルメガネオタクラブコメです★
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