【英語で文化を話そう】彼らは男の子?女の子?
まだnoteを始める前のこと。
翻訳をしてくださることが決まったRieこと富田梨恵さんに、 キャラクターの資料を送りました。
そこに「一人称」という項目がありました。
自分のことをなんと呼ぶか?という項目です。
私のnoteに登場するふたりは、自分のことをどう思っているのか?
英語にするにあたって、そして私が彼らを描くにあたってとても重要な部分のため、最初からその部分は資料に書いてありました。
さて、なんて書いてあったでしょうか。
そしてその後、カドゥはよく「ボク」と言うようになり、ナムはほとんど一人称を使わないままお話が進んでいきました。
ある時、カドゥのことを”him”と呼ぶ場面が出てきました。
その翻訳を見て、私たちがどんな会話をしたのか…
ちょっと聞いてみましょう。
そこで、富田梨恵さんがこんな記事を書いてくれました。
とても面白いので、ぜひお読みください。
そして、前回の記事でとうとう出てきてしまいました。
彼らの性別が言葉以外でも明らかになってしまう場面。そう、イスラーム圏では男女で服装が違うのです。
このお話の中で、ナムがカドゥと同じような服を着てきてしまったら、彼の性自認が男と明快になってしまいます。それに対してカドゥが普通に接するとカドゥもナムを男の子と思っていることになる。
この場面で、ふんわりとナムが男性だと決まってしまうのは不自然だと思いました。
私は自認している性がありますが、それは同じ種族の異性といるときに自認されます。
また、他の人から自分をどう扱われているか、社会的にどうカテゴライズされるか、書類の男女のどちらに丸をつけるか、どちらのトイレやお風呂に入るか…という場面で性別を思い出します。
しかし、私は猫を撫でているときに、自分を女だ!といちいち思いません。
人間の男性を撫でていたら、人間の女性の肩に手を回したら、その時は少し自分の性別を意識しますよね。
そう性別は同種族の間では意識する瞬間は多いのですが、別の種族と接する時には思い出さないんです。
ということで、ナムとカドゥは別の種族で、一緒の部屋で寝て、普通に裸になって着替えたり温泉に入ったりしてると思いますが、お互いの性別をあまり意識していなかった。
そこで本編では「Why are you dressed like a girl?」あれ?ナムの性自認ってどっちだっけ?と迷う意味でこの翻訳になりました。
ナムは「Is something wrong?(さぁ?)」と返しています。
いい翻訳です。何か問題でも?という感じですね。
ナムも別種族である人間社会においては自分の性を意識していない。
テキトーに男の服を着たり、かっこいいから女性服を選んだり、カドゥがいるから男風呂に入り、なんとなく女性トイレに入っているのではないかな?
本をたくさん読んで、自分は「ボク」だな、と学んでいるカドゥ。
対してナムは、僕とか私とか、heとかsheとか、服装で分けるとか、そういう不思議な人間社会とは別の感覚で生きているのではないかな?と思います。
ということで、ナムの本当の性別は謎のまま。
でも別に、どっちであっても困ることはないではありませんか。
(でも翻訳の時には困る私たちであった…)
英語監修:富田梨恵