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裁判と、映画”巡り合わせのお弁当“

昔、バイト先で年上の男子が言っていた。

彼が今まで一番きれいだと思ったのは、
インド人とのハーフの女の子だったらしい。
彼女は日本での生活が長かったみたいだけど、
彼とはかなり衛生感が違うと感じるエピソードがあり、
関係は長続きしなかったそう。

彼は頭のいい人で、社長に重宝がられ、
分け隔てなく皆に親切だった。
別の人が、彼の仕事ぶりを褒めながら“あいつはスマートだよね”と言っていた。
訥々と話すこの人の方が、私は好ましかったが。

私がしばらく実家に帰っている間、
スマートがメールをくれた。
私をいつもの苗字ではなく名前で呼び捨てにしていて、さり気なさに少しドキッとした。
バイト生活に戻ると、スマートは別のバイトの女の子と付き合って、直ぐに別れた。
私も、訥々ではない男子と付き合い始めた。


実家から借りっぱなしの文庫本。

インドと言えば、返してなかった本がある。

インドと一言で言っても、民族の数は630を超えるのだとか。
1960年代のインドの国勢調査では、言語は1652種にもわたることが判明、当局も驚いたと、冒頭に書かれている。
当時のインドの国勢調査は、一体何年掛かったのか、どのくらい正確なのか。

少なくとも、始めた人達には、“日本は単一民族”と発言した首相、大臣を立てたこの国の政党より、人への誠実さがあったのではないかしら。

河童さんは、食堂に入りチャパティやサモサを頼んだ後に、食堂の主人が見せてくれた弁当箱に夢中になる。
スケッチして、寸法まで計り記録する。
相手は面白がって、中身を食べさせてくれる。
カレーが入れられる、よくできたお弁当箱に感心して、買って帰りたいと言い、恐縮される。
三段重ねで、“盗み食いされないように”鍵穴がついている。
もちろん図解付き。

河童さんの見たインドでは、食べ終えたお弁当箱の汚れを砂で拭ったり、手で食事をする場面が出て来る。
誰が触れたかわからない食器を使うより、自分の手の方が余程信頼できる、なるほどと思う。

“特異な衛生観念”

これは離婚訴訟の中で家裁の裁判官が元夫を称した一言。
元夫が、潔癖症を酷くしたような病気だった為か、この10数年、私も衛生感にまつわる話にはひどく敏感になっていた。
元夫なら、河童さんの本に、何やら論文をひいて強く反論することだろうと、おかしくなった。

離婚訴訟中のある時、私は馬鹿馬鹿しくなった。レターパックで送られて来る相手の分厚い論文(のコピー)にはもう目を通さないと決めた。
軽度とは言え、訴訟中に網膜剥離になったのも理由の一つだが。
代理人となった弁護士さんが短くマーカーしてくれた部分のみ、確認した。

裁判は闘いだ。
大量の借り物だけでなく、短くても、自分の言葉で闘ってみろ、そう思った。

相手はあちこちで弁護士に断られたようで最高裁まで本人訴訟だったから、私の弁護士さんは私に代わり、校正されていない大量の書面を読む羽目になった。
仕事とは言え、さぞ閉口したことだろうと思う。

私のしつこい文も、削られ校正され、提出する時にはごく短い書面になった。
相手方は数十枚、こちらは二枚か三枚という時もあった。

そうだ、インドの映画について

これを書きたかったのだ。
私の頭は、いつも散らかってあちこち飛んで行く。
洗濯機から洗濯物を取り出す時に、よく思い出す映画の場面があるのだ。
現代のムンバイ(確か、今から10年くらい前。私の記憶も少し曖昧。)、
30代くらいの女性が、洗濯機から出した服を、座り込んで一枚一枚広げ、時々匂いも嗅いでいる様子。
なぜ嗅いだのか説明はない。
子どもの服もよく見ているから、汚れを確認しているのか。
次に台所仕事に取り掛かる。
小鍋に、たくさんのスパイス。
まさに河童さんのエピソードに出てくるようなお弁当箱に、夫のお弁当を詰める。
真剣な表情。
既に夫の気持ちは冷めているのだが…

原題は“Dabba”
ヒンディー語でお弁当箱。

その前に、
土日が始まる。
二日間とも娘の体育館通い。
映画の続きは、また書きたい。



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miomioみお
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