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物価高騰と、野菜のランチと、シフォンケーキ

いつものスーパー

キャベツ1/2が299円
ブロッコリーは499円!
ため息が増え、
両親のあれこれにも気持ちが塞ぐ。

そんな中、食事に行ったお店。
開店を待って私達が並ぶと
なんと横から女性のグループが割って入った。
一人は“この方達が先だったけど”と遠慮がちに言ったけれど
先に入った人達はお構いなし。
常連さんらしい。
私達は呆気に取られ、ちょっと笑った。

食事が運ばれた後も
グループの女性達は、
職場の不満や、なんと患者さんらしき個人名まで上げて、小さな店内で話をしている。
大声で。

話が仔細な医療行為に及んだところで、
私は女性達に声を掛けた。
なるべく穏やかにと気をつけながら、
お食事していますから、と。
グループの声はやや小さくなった。

気を取り直す(しかない)。
彩りの鮮やかな野菜が嬉しい。
ドレッシングが美味しいサラダ、
スパイスがじわっと効いたスープやカレーを
何度も“美味しいね”と言い合っていただく。

大正初期の石造りの蔵は、
座っていると底冷えする。
だからか、
お鍋を掛けた灯油ストーブが近くに置かれて、
カウンターからちょうどいい熱さの白湯やポットを出してくれる。
膝掛けもそっと置かれていた。
私の気に入っているマフラーと同じ、
イギリスのタータンチェックの会社のもの。

カウンターや柱も、さながらハリーポッターの銀行グリンゴッツのようで、重厚な存在感がある。
柔らかな物腰の店長さんが、
ホールのシフォンケーキを持ち、カウンターから出て来た。
店頭のガラスケースにそっと置かれたケーキは、ふんわり揺れているようだった

次いで、私達にそっとシフォンケーキのプレートを持って来てくださる。
驚くと、
ちょっと賑やかで、すみません、と小さい声。
こちらが恐縮するサービス。
シフォンケーキが揺れてる!なんて言ったのが聞こえていたのかも。
まだほんのり温かなケーキ。

古いアンティークのレジ。
こちらの方こそ、ありがたうございます。


食事の後、
人気の少ない道を、初詣に向かった。

友人曰く
店長の女性は、
お母さんの介護と、この店とを、長らく続けているのだとか。
市内では忘れられたような、ゴーストタウン化が進む地区。
こうして地道に営業しているお店もあるのだ。

私達も、また行こう。
常連さんになっちゃおうか。
今度はポトフーを頼もう。
バスクチーズケーキも、注文しよう。

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