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089.失敗やミスは僕自身であり、人生という星座を形づくる最も輝く星たちなのです。と彼はいった


小さな町で生まれて、夜空の星を見上げて「いつか世界を救うんだ」って夢見てた、幼い少年だった彼。

わたしはほんとうにここのところ、毎日彼のことばに泣かされている。
彼は、自分のことをアイドルでも、アーティストでも、好きに呼べばいいって不敵に笑うけど、わたしの中では彼はどこまでも、どこまでも美しい詩人であり、音楽家だ。

今日、彼のソロアーティストとしてのアルバムを聴いて、その1曲目の「Tokyo」という曲のイントロのピアノの音色を聴いて、そしてラストを飾る「Forever rain」という曲を聴いて、とてつもなく安心した。

ああ、大丈夫だ。って。
もう、この音でわかった。この曲で、この言葉で、わかった。
わたしが生きている限り、彼を嫌いになることはないだろう、と。

松尾スズキがどこかのエッセイで、故・赤塚不二夫氏のためのタモリさんの弔辞を聞いて、「ああ、俺はもうタモリさんを、生きている限りぜったいに嫌いにならないと、確信した」と書いていたが、その気持ちがとてもよくわかった。

そのひとの、ある瞬間の”真実”が見えたとき、それはその瞬間のことでありながら、”永遠”に属することなので、究極の安心感があるのだ(なんのこっちゃ)。
でも、わかるひとはわかってくれると思う。

わたしが愛するキラキラとしたあの子たちの、かけがえのないリーダーであるナムくんは、彼のいのちが続くかぎり、美しい世界を、美しいことばと、美しい音楽にする彼だけの魔法で、私たちの世界を豊かにし続けてくれるのだろう。

アイドル、という寿命を超えた、もっとずっと高いところに彼は行く。
そこで、わたしはずっと彼の表現と共鳴しながら、生きていけるんだ。


そのことが、とてつもなく嬉しくて、泣いていたのだった。


彼の国連でのスピーチは、きっと歴史に残るだろうと思う。これからも。


なぜなら、ひとりの小さかった少年が、生まれて、一度はほんとうの自分自身を捨てて、自分の声を聴くことをやめてから、自分をもう一度取り戻し、生まれ直して、生き直していく、普遍的な自己認識のストーリーだからだ。


国連事務総長、ユニセフ事務局長、各国首脳、そして世界中からお集まりの皆さんに感謝申し上げます。

私の名前はキム・ナムジュン。
BTSのリーダー「RM」でもあります。
今日の若い世代にとって非常に意味のあるこの場所にご招待いただき とても光栄です。

昨年11月、BTSはユニセフと共に『LOVE MYSELF (私自身をまず愛そう) 』キャンペーンを開始しました。「本当の愛は自分自身を愛することから始まる」という信念があるからです。そして 世界中の子どもと若者の保護を目的とする ユニセフの『#ENDviolence(暴力をなくそう)』キャンペーンと協力して活動しています。

このキャンペーンでは 僕たちのファンが 行動力と熱意を持って大きな役割を果たしてくれています。僕たちは 本当に世界一のファンを持っています。
 
さて まずは僕自身の話から始めたいと思います。

僕は 韓国・ソウル近郊のイルサンで生まれました。湖や丘のある本当に美しい町で 毎年フラワーフェスティバルも開催されています。僕は そこで幸せな幼少期を過ごし、ごく平凡な男の子でした。

夜空を見上げて想いを巡らせたり、男の子らしい夢を見たりしていました。僕は世界を救えるスーパーヒーローだ、なんて想像もしていました。

僕たちの初期のCDアルバムのイントロに「9歳か10歳のとき 僕の心臓は止まった」という歌詞があります。振り返れば、他人が僕のことをどう思っているか、どう見えるかを、心配し始めたのが、その頃だったと思います。

夜空や星を見上げて空想することをやめ、
他人がつくりあげた型に自分を押し込もうとしていました。

自分の声を閉ざし、他人の声ばかり聞くようになりました。
誰も、僕自身でさえ、自分の名前を呼びませんでした。心臓は止まり、目は閉ざされました。

このように、僕は、僕たちみんなは、名前を失い、幽霊のようになりました。
 
でも、僕には音楽がありました。
自分の中で小さな声がしました。

「目を覚ませ!自分自身の声を聞くんだ」。

それでも 音楽が僕の本当の名前を呼んでくれるまで 長い時間がかかりました。

BTSのメンバーになると決めた後でさえ たくさんのハードルがありました。信じられない人もいるかもしれませんが ほとんどの人が 僕たちには見込みがないと思っていました。やめたくなるときもありましたが諦めずにここまで来られて とても幸運でした。

そうやって 僕もみんなも これからもつまずいたり転んだりするでしょう。

BTSは大きなスタジアムで公演し 数百万枚ものアルバムを売り上げるアーティストになりました。

でも 僕は今でも 平凡な24歳の青年です。
僕が何かを成し遂げたのだとしたら それはBTSのメンバーが側にいてくれて 世界中のARMYが愛とサポートで支えてくれたからです。

昨日、僕はミスをしたかもしれません。
でも、過去の僕も僕には変わりありません。
今の僕は、過去のすべての失敗やミスと共にあります。

明日の僕が少しだけ賢くなったとしても、それも僕自身なのです。
失敗やミスは僕自身であり、人生という星座を形作る最も輝く星たちなのです。
僕は 今の自分も 過去の自分も 将来なりたい自分も すべて愛せるようになりました。
 
最後にもうひとつ話したいことがあります。

アルバムをリリースし『LOVE MYSELF』キャンペーンを始めてから 世界中のファンから素晴らしいストーリーが届き始めました。僕たちのメッセージが 人生の困難を克服し 自分自身を愛する助けになったこと。そうしたストーリーは 僕たちが担う責任をいつも思い出させてくれます。

だから 僕たちみんなで もう一歩前に踏み出しましょう。
僕たちは 自分自身を愛することを学びました。

だから今度は「自分自身のことを話そう」。
 
あなたの名前は何ですか?
何にワクワクして 何に心が高鳴るのか あなたのストーリーを聞かせてください。

あなたの声を聞きたい。あなたの信念を聞きたい。

あなたが誰なのか、どこから来たのか、肌の色や ジェンダー意識は関係ありません。
ただ、あなたのことを話してください。
話すことで、自分の名前と声を見つけてください。
 
僕はキム・ナムジュン。 BTSのRMです。
アイドルです。韓国の小さな町で生まれたアーティストです。

他の人と同じように、人生でたくさんのミスをしてきました。
たくさんの失敗も恐れもあるけれど、自分を力いっぱい抱きしめることで、少しずつ自分自身を愛せるようになりました。

あなたの名前は何ですか?自分自身のことを話してください。




彼はいつも、わたしたちに問いかけてくれる。

「あなたの名前はなんですか?あなたの話を聞かせてください。」という上記の国連のスピーチでも。

そして、ツアー中にも、ファンたちにこんなことを問いかける。


みなさんの中の銀河は何色ですか?
そして、どんな形ですか?

僕たちがどこにいるのか、そしてどこの言葉を話すのかは大事なことじゃないです。大事なのは僕たちが同じ気持ちで同じ想いを分かち合っているということです。

あなたの、銀河の話を聞かせてください。


と。


「あなたの銀河の色は何色ですか?」


なんて、そんなすてきな問いかけができる人、この世に他にいるのかな?って思う。

そんな問いかけをしてくれる、とてつもなく特別な男の子のことを、この先一生嫌いになれる、わけがないじゃない?って思うのだ。




知っているひとたち、あんまり会わないけど大切に思う仲間たちが、ぞくぞくとnoteを始めているのを見て、とてもとても嬉しい。わたしはいつだって、1対1でじっくりと話をするのが好きだ。

どんなひとにも、すてきなところや、可愛いところ、ちょっとズルいところも怖いところ、なまなましい傷があったりするところも知っている。苦しみは自分だけのものではない、みんな苦しいときはあるし、日々なにかと戦っている。

それは、ひとりひとりの物語だ。ひとつひとつが星で、人生という星座をつくっているってナムくんも言っている。輝いていないひとは存在しない。

わたしも、いつも、思っているのだ。「あなたの物語を聴かせて」って。「あなただけのことばで、あなただけの声で、あなただけの宝物を見せてほしい」って。だからnoteを通じてつながっていることは、月に1回わあっとみんなで飲みに行く、とかよりも、わたしにとっては断然、深くて濃ゆいことなのです。

だいたい、もう何ヶ月も誰とも飲んでないしな!いいよ俺はオタ活で忙しいんだからさ!プン!










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