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刻一刻物語

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時間と場所と記憶と夢と。 とりとめがないけれど、 いつか思い出すための物語格納庫。
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#一度は行きたいあの場所

遠くと信号(その2・完結)

遠くと信号(その2・完結)

 もう電車の窓の外は日暮れて暗くなってきた。遠くに灯りの点った家の窓が、ちらちらと動いていく。あそこに人がいて、夕ごはんの支度をしたりしているんだな。
 そういえば朝食べたきり何も食べていないので、お腹がすいた。
 今はどの辺りだろう。と、思った時、母さんが荷物を網棚から下ろした。
「次で降りるから」
 それだけ言うと荷物を座席に置いて、母さんはまた窓の外をながめていた。

 止まった駅は無人で、

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