見出し画像

手作りスイーツと共に歩んだ娘の成長

ここ1年の間に、月に2、3回程度、お菓子を作るようになった。黒いほうは、「米粉と豆腐のガトーショコラ」、白いほうは、「米粉とヨーグルトのバスク風チーズケーキ」。どちらも、エッセイスト・小川奈緒さんのVoicy(音声配信サービス)を通してインスタグラム上で出会った方から教えていただいたレシピ。どちらも病みつきになるほどの味だ。

今週末、一人暮らしをしている娘が帰ってくるというので、ぜひ食べてもらいたくて、どちらにしようか迷ったけど結局2つ作って、親子3人で金・土でペロリと平らげてしまった。

娘は、幼い頃アトピー性皮膚炎があったので、市販のおやつではなく手作りをしていた。バナナやさつまいもなど自然の甘さを生かしたスイーツが娘のお気に入りで、夢中で頬張る愛らしい表情が、今書いていてあらためて蘇ってきた。
そんな彼女が小学校に上がると、学校での出来事を話しながら、一緒にクッキーやシュークリームを作った。おしゃべりが止まらない子だった。

中高生になると、一緒にお菓子は作らなくなったが、娘は夜中に一人で時々、作っていたチョコチップクッキーやパウンドケーキを焼いていた。部活動の仲間やクラスメイトとのコミュニケーションのためだと言っていたっけなぁ。女子校っていろいろ大変なんだぁと思いつつ、台所を使いっぱなしにしないで欲しいと小言を言ったものだった。

そして今、娘が社会人となり、4月から新しい生活が始まった。
だいたい1ヶ月に1度くらい帰ってくるのだけれど、会うたびに会話の内容が「仕事寄り」になってきて、彼女が真摯に仕事に向き合っていることが感じられる。職種は違えど、私も、彼女も「人と向き合う」「小児を主としている」という括りは一緒で、2種類のスイーツを食べながら話すのは、いつも仕事の話だった。

ただ長く仕事を続けていたというだけの、薄っぺらな私の話を娘は「うん、うん」と聞いてくれ、恥ずかしくなる。そういえば、最近の研修はマネジメント系に偏りがちだったけれど、心理師として専門分野のアップデートもしていかなくては、と改めて感じた。

娘、いや年若い後輩の真摯な姿に恥じないよう、もうひとがんばりしたいなぁと思った。
手作りお菓子の記憶を懐かしく思い出しながら、今では再び私の作ったスイーツを食べながら、娘が仕事の話をする大人になったことに、親子の関係の変化をしみじみと感じた週末だった。


#子どもの成長記録

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集