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「マインド鎖国」の超予防〜音楽ソフト関連の鎖国に寄せて
200ドル(約3万円)の大損をしちゃいました! アメリカでは、日本で買ったフィナーレ(音楽作譜ソフト)からの乗り換え版(クロスグレード)が買えないからです。
注) フィナーレ(本国アメリカ)は昨年で開発終了のため
アメリカのフィナーレ代理店MakeMusicの担当アンドリューが言うには、「ヤマハとの契約で、日本版からのクロスグレードは日本でしか買えないことになってる」と……。
それで、日本の代理店いくつかに問いあわせたら、「アメリカ(本国)版Doricoは、日本で売る製品とは別のもの。クロスグレードはアメリカでの販売のみ」と、つれないお返事。(日本版が買えた期間もあるようですが、申し込み書を見たらフィナーレのフルバージョンからのみだった)
現在もアメリカでは、私が持っているPrint Music(フィナーレ廉価版)からでも149ドルで乗り換えオーケーなのに……↓
https://store.makemusic.com/Store/?_ga=2.181388641.73889510.1738165888-1137903843.1732029477
仕方なく通常版の購入で、40%オフのセールでも347ドル。差し引き200ドルの超過になりました。
アメリカでのクロスグレード購入を阻止して、結果アメリカ版を買わせて、日本にトクでもあるのかしら?
そこはかとなく鎖国を感じるのみです。
第一、私のフィナーレ・アカウント情報をアンドリューがあの手この手で調べてくれたのに、ヒットせず。「日本語だと出てこないことがある」とのこと。
「音楽は世界の言葉」と信じてニューヨークにやってきた私のファンタジーは、ガラガラと崩れ落ちました!
誓って、ヤマハや日本の悪口を言いたいのではありません。逆に、私は’00年代まで日本で外タレのコンサート制作のお仕事をしてて。アメリカのミュージシャンたちが、こぞって日本製のキーボードを使いたがった過去の栄光を見ているので……。
どのチームの楽器リクエストにも必ず入っていた、画期的マルチ機能キーボード「DX7」。産みの親である「世界のYAMAHA」が、なぜ「日本版を日本で買え」なんて囲いこみを……?
つまり、音楽が「不要不急」と言われる日本を「飛び出すなよ」ってこと?!
まあ今どきは、私が来た10年前とはまるで状況が変わりました。日本にいても、世界で音楽ができるようにはなってきているし。
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Doricoは、ブロードウェイでも標準になりつつあるそう。私もトライアル版を概ね快適に使わせていただいたので↑、無駄な出費とは思わないまでも……。
あのキース・エマーソン様が今なおオーバーホールして使っていらっしゃるという、伝説の「コルグPolySix」(世界初の簡易6重音シンセサイザー、日本製)。その発売(‘80年代)に飛びついた元キーボーディストとして、昨今の音楽ソフトへの鎖国ぶりは情けなく感じます。
これがオフィス関連ソフトになると、また別。マイクロソフトOfficeは、確かにアメリカではアメリカ版しか買えません。サブスクの料金システムも内容(紙のサイズ設定など)も、日本とは微妙に違います。だけど何も問題はなく、日本で作ったアカウントもそのまま使えています。
音楽だけ、何故こんな鎖国なのか……。
世界に飛び出すワーホリ難民の皆さまや、移住・駐在の皆さまも、分野は違えど私と同じ “日本の鎖国シバリ” に囚われることがあるのでは?
日本では、マインドだけでも鎖国にならないよう……。
例えば、DAWや作譜ソフトを英語表示にしてみるとか。 (Dorico日本版ではできるそう) 。ハウツーYouTubeも、英語なら情報が速くて豊富。
Doricoアメリカ版では、「記譜」はWrite。誰でもわかります。日本語でさえ意味不明な「浄書」「譜表」などの漢字用語も、英語のほうがカンタン。用語にさえ慣れておけば、英語環境のミュージシャンと共作だって、オンラインでできます。
アメリカでは、全てが「フールプルーフ(バカでも使える仕様)」。でないと、「分からなくて精神的被害を被った」などと、ユーザーから訴えられたりするそう。
反対に日本語では、失礼にならないよう、やたら丁寧な言い回しが多くて。私には要点がさっぱりわかりません。日本語のYouTube解説をあれこれ見ても使えなかったのが、ScanScore(楽譜のイメージ画像を楽譜データに変換するソフト)。
こちらを観たら、一発でした。(画面のカーソルの動きを見てればできる) 新規ソフトでお困りのかた、よろしければ英語解説でお試しを!
音楽関係でないかたも、愛用アプリやスマホの英語表示はいかがでしょう。Siriが英語で答えてくれたりで、世界への壁もゆるゆる解凍していくのでは?
最後にトンデモ話を。私の娘が日本で勤めている会社から、最近アンケートがあったそう。元々お仕事には「転勤なし」を希望していた娘、「転勤」に対する回答がふるってます。「国内はNG。海外ならOK」
おいおい! 非常識かもながら……笑っちゃいました。最近の世代では、こんな開国?モードも「フツー」かもしれないですね!