私が「直感」を信じられるようになった夜
「娘さんですか?」
五反田のとある居酒屋。赤提灯がぶら下がっている、いかにもサラリーマンが好きそうなお店で、私は出張に来ていた父とカウンター席で飲んでいた。
「あ、はい。そうです」
ほんのりと顔が赤くなった父が答える。
父の隣に座っていたサラリーマン風の男性が声をかけてきた。父よりだいぶ若く40代前半くらいに見えるその人は、一人飲みのようだ。
「そうですか。娘さんとこうやって一緒に飲めるなんて羨ましいです。私の子どもはまだ小さいんですが、いつかこんな風に一緒に飲めた