2024年、最初に思ったこと
Disagree and Commit
Amazon CEO ジェフ・ベゾスが2016年に株主に発した言葉、「Disagree and Commit」。
「たとえ同意が得られなくても、ある方向について確信があるなら、次のように言えば良い。『この件について、我々が同意できていないことは分かっている。だが私に賭けてみないか? 反対し、コミットしないか?』と。この時点では誰にも正解は分からない。おそらく、皆がすぐにイエスと言うだろう」
私はこの言葉が好きです。会社という組織はもちろん、もっと小さなコミュニティだとしても全員が納得しそのコミュニティのディシジョンとできることは多くありません。そのコミュニティの判断と私の意見が合わないことも少なくありません。その一つ、一つのディシジョンで意見が割れる度に、そのコミュニティを離脱していてはどのコミュニティにも属することができません。でも、どういう気持ちで反対意思を抱えながら、そのコミュニティに継続して所属していいのかわかりませんでした。それに対する一つの解がこの言葉だと思っています。
2023年 紅白歌合戦
昨年末の紅白歌合戦はこれまでとはやや趣きが変わりました。これまで白組の大勢を占めていたジャニーズ系のアイドルが参加しなかったことで、白組にこれまで以上にK-POP系グループが増えたように感じました。しかし、私にはそのグループの違いが認識できず、「あれっ、この人たちさっきも歌ってなかった?」と思うことが度々でした。
若い頃、毎回、昔のヒット曲を歌うベテラン演歌歌手を快く思っていませんでした。当時と顔ぶれは変わりましたが、今のベテラン歌手たちが昔のヒット曲や他の歌手の名曲を歌っていたりするのに、紅白らしいなと心地よく感じている自分がいました。
また、ブラックビスケッツ、ポケットビスケッツの出演には当初はあまりいい印象は持っていませんでしたが、いざ、その登場を生で見ると、いい印象を持っていた自分がいました。懐かしさからか、もしくは、久しぶりの出演で必死に歌う姿、会場やお茶の間を盛り上げようとする姿に何か心を動かされたのだろうと思います。
自分自身、昔とはずいぶんと「変わったなぁ」と感じさせられる年末でした。
新卒新人メンターを担当
その変化は思い返せば、昨年を通して感じたことでもあります。新卒新人のメンターを昨年の4月から担当しています。これまでも中途入社の方々のメンターは担当させてもらうことがありましたが、年の差はせいぜい1周りと少々程度です。今回の新卒とは2周り以上の年の差、別の表現をすれば、親子ほどの年の差でメンターを担当しています。そのメンティーとの最初のコンタクトでこんなことがありました。
「なんて、呼んだらいいでしょうか?」
例えば、「鈴木さん」だと複数人いるのでファーストネームやニックネームでオフィシャルに呼ばれている場合はあります。ただ、そうでなければ、フツウは苗字に「さん」付けが会社というコミュニティでの一般的なことだろう。しかし、あえて、聞いてくるということは、そうでないことを望んでいるんだろうと感じ、「なんて、呼びたいの?」と返しました。すると、躊躇なくファーストネームに「さん」付けで返答してきた。その時から私は「みのるさん」になりました。
他のメンターはよき先輩だったり、兄貴分、姉貴分だったりしてますが、私だけが親父であり、上司みたいなメンターとなってしまう分、それが逆に距離感を縮める上でいいことだったと思っています。ただ、私が新卒当時に父親ほど年の離れた人にファーストネームで呼ぶような提案はできなかったでしょう。別のちょっと上のファーストネームで呼ばれている先輩を同じようにファーストネームで呼ぶことにも躊躇がありました。
そのメンティーが図太い神経の持ち主という訳でないこともすぐにわかりました。逆に慎重すぎるタイプでした。なので、これはメンティーの個人の違いではなく、もう世代による感覚の変化と受け入れるしかないと感じました。その後も、そういう世代による感覚の違いは度々、感じさせられました。
Disagree and Commit Ver.2024
このようなメンティーたちも数年後には仕事で対等に意見を交わすように育っていくでしょう。既に意見を交わすこともある入社数年のか若手たちと意見が合わなかったとしても、それは世代による違いによる部分もあったのでしょう。そういうものにただ、Disagree and Commitだけではなく、その考えの相違が生まれる理由も少しわかったかもしれません。今まで以上にしっかりとDisagree and Commitができるようになったと思います。
もう間もなく迎える1月12日で49歳なります。同日、ベゾスも還暦を迎えるようです。