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成長と変革を導く未来志向のリーダーシップ
リーダーとは、『つき従う者』がいるということ(ピーター・ドラッカー)
この記事は筆者講演のリーダーシップ論の要約となります。対象は若手ミドルマネジャーから部門長を想定しております。
「リーダーシップは職位ではなく行動である」
リーダーシップは、しばしば地位や肩書きに依存するものと誤解されがちですが、実際には日々の行動が示すものとなります。リーダーとは、自らの行動で組織やチームを導く存在であり、職位そのものがリーダーシップの源泉ではありません。
チームの方向性を示す力は、リーダーシップを発揮する際に問われる重要な要素のひとつです。困難な状況下では、リーダーは迅速かつ適切な判断を求められます。このとき、リーダーの誠実さやプロフェッショナリズムが強調されます。誠実なリーダーは、論理的に思考し、感情に左右されずに冷静に判断を下します。感情に流されずプロフェッショナリズムを持つことで、周囲からの信頼も得やすくなりチーム全体として共通の目標に向かって進むことができます。
リーダーシップは、単なる命令の発信者という意味ではありません。行動でビジョンを示し、日々の行動を積み重ね、リーダーシップが作られます。そのため常に行動が一貫していることが重要となります。職位に頼るリーダーは限界がある一方で、行動で示すリーダーシップは、誰にでも実践でき真に人が付き従うものと言えます。行動が生み出す信頼こそが、リーダーとしての成功を支える基盤となります。
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「信頼こそが最強のリーダーシップツールである」
リーダーシップにおいて、最も強力な武器のひとつは信頼といえます。地位や権力でメンバーを動かすことは一時的な成果を生むかもしれませんが、真に持続的な成功を得るためには、信頼に基づくリーダーシップが欠かせません。信頼はリーダーが長期的に影響力を発揮し、組織を成功に導くための最強のツールのひとつです。
信頼を築くためには、リーダー自身の行動が一貫していることが重要で、言動にブレがない、約束を守ること、メンバー一人ひとりに真摯に向き合う姿勢など、おごらず基礎的な行動を丁寧に積み上げることが信頼を形成する近道とも言えます。
信頼が築けているメンバーは明らかにその行動に変化が見られてきます。あなたに多大な信頼を寄せているメンバーであれば、例えば報告しにくいネガティブな事柄であっても、速やかに報告に来ますし、建設的な意見やあなたの意見に対する反論もしてくれるはずです。
「チームの成功はリーダーの成功である」
リーダーシップの本質は、個人の成果よりもチーム全体の成功に焦点を当てることにあります。優れたリーダーは、自分だけの目標や業績にこだわらず、チーム全員が力を合わせて目標を達成することを最優先に考えます。リーダーが個人の成功を追求しすぎると、チームメンバーとの間に距離が生まれ、協力関係が崩れてしまう可能性があります。チーム全体の成功に力を注ぐことで、リーダー自身の成功にもつながるのです。
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リーダーは全体としての成果を最大化する役割を担っていますので、個々のメンバーが成長し、能力を発揮できる環境を整え、チーム全体のパフォーマンスは向上させることが良きリーダーシップの姿となります。また、リーダーがチームの成功に注力することは、メンバーの信頼を得ることもできます。
メンバー自身の行動や努力が、リーダーによって評価され、支援されていると感じられる場合は、自然とチームに対するコミットメントが高まり、チーム全体の結束力が強まります。
「柔軟性と芯の両立が求められる」
変化の激しい近年のビジネス環境では、リーダーは新たな状況に素早く適応する能力が求められるといえます。周囲の状況やメンバーのニーズを的確に把握し、状況に応じて柔軟にアプローチを調整することが求められるわけです。しかし、調整力だけではリーダーシップは成り立ちません。意思決定・判断が変わったとしても、変わらない「芯」、つまり揺るがないビジョンや価値観を持ち続けることによりリーダーの行動の一貫性を支え、信頼を築く基盤となっていきます。
リーダー自身が何を大切にしているかをメンバーに示すことは、チームの結束力を高める要因となります。リーダーが持つ強いビジョンが、チームの行動指針となり、全員が同じ目標に向かって進むための羅針盤となる訳です。リーダー自身がしっかりとメンバーに対し、目的と理由、描くゴール感など、丁寧に伝えることで、チームメンバーは安心してリーダーについていくことができるようになるわけです。
「リーダーシップは状況に応じて変わる」
リーダーシップには、すべての状況に通用する万能なスタイルは存在しません。「決めればいい」「指示すればいい」というように凝り固まったスタイルだけのリーダーシップでは、複雑性の増している近年のビジネス環境では中長期に渡る成果が期待できない可能性が高いと考えられます。
リーダーシップのスタイルは状況に応じて選択する必要があります。例えば、平常時、非常時、または変革時など、取り巻く環境の違いでも必要とされるリーダーの役割やアプローチは異なります。リーダーは状況に応じて適切なリーダーシップスタイルを使い分けることで、真のリーダーシップを発揮できるのです。
例えば、平時のリーダーシップでは、組織の目標達成に向けて、計画的かつ安定的な運営が重視されます。この場合、支援型やコーチ型のリーダーシップが有効です。一方で、非常時には迅速な決断と強力なリーダーシップが求められ、指示型のリーダーシップが適している場合もあります。混乱を収束させるためには、強いリーダーシップによる明確な指示が不可欠となるわけです。
「サーバントリーダーシップは未来を築く」
支援型やコーチ型のリーダーシップのひとつとして、サーバントリーダーシップは現代の組織運営において、特に重要なリーダーシップスタイルのひとつと言えます。この支援型リーダーシップは、リーダーが部下を支えることで、個々のメンバーが自律的に成長し、組織全体の成功を持続的に支える基盤を築くことができます。リーダー自身が主導権を握るのではなく、チームメンバーの成長を促す役割を果たすことで、結果的に組織全体の未来を築いていくのです。
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サーバントリーダーシップでは、リーダーは部下のニーズに敏感であり、彼らが必要とするサポートを提供していくことが重要となります。部下が自らの能力を発揮できる環境を整え、自律した人材の育成を目指すわけです。このアプローチは、短期的な成果よりも、長期的な成長と持続的な成功を重視するリーダーシップとなります。リーダーが他者の成長を最優先にすることで、組織全体のパフォーマンスが向上し強力な組織力の向上につながっていきます。
サーバントリーダーシップは、個々のメンバーの成長と組織全体の繁栄を同時に促進する未来志向のリーダーシップスタイルとも言えます。リーダーは、メンバー支えることで、組織の成功と持続的な成長を確実にする力強い存在となることができるでしょう。