
いつか生理に殺される
コーヒーで絵を描いている自分が
絵を描いていくなかで
いろいろ体験したことを書いています
わたしがこうやって
絵を描いていくなかで
けっこう外せない理由に
生理に振り回されつづけた人生
というのがあります
もうね、今日の話しは
生理に悩む
全女性と
そんな女性が全然わからない
全男性に
届いてほしい
社会人になってからしばらくして
ずっと
生理が原因で
仕事を転々とすることがありました
思えば小学校の高学年から
中学生のころ
ときどき友達の前で
まったく笑えなくなることがあって
自分でもどうしていいか
分からなくなることがあり
自分は、ものすごく性格が暗い
と、悩んだりしていました
明るくしようとつとめて空回りしたり
心がけが悪いのだと自分を責めたり
「お願いだから私を精神病院に入れてほしい」
と、母に泣きながら訴えたり
そして、自分は
そう言う性格なんだと
諦めてもいました
あるとき、わたしの不調が
自分の性格のせいばかりではなく
生理に原因の一端ががあるかもしれないと
分かったきっかけがありました
まだ美容院で働いていたとき
またいつものように
グルグル思い詰めて
その時、お付き合いしていた人に
部屋で
「もう別れる!」と伝えたときのこと
その人は読んでいた少年ジャンプから
いっさい目をあげずに
「別れん、別れん」
というので
「なんで?わたし真剣なんだけど!」というと
「だってお前
それ生理だろ?毎月言ってるよ」
「え?」となりました
「数えてごらん
毎月このくらいの時期になると言ってるから。」
前に女友達で、そういう子がいたんだよねー
といいながら
変わらず少年ジャンプを読み続ける彼氏
(少年マガジンだったかもしれない)
そんな症状があるなんて
その時はじめて知りました
その後、いろいろ症状を調べてみると
どうやら当てはまると分かったのです
月経前に体調が悪くなるというのは
多くの女性が体感するところで
眠くなったり、だるくなったり
食欲がコントロールできなくなったり
これをPMSといいますが
中でも
特に精神症状が強く出る
PMDDというものがあり
わたしはこれにあたりました
生理前に自殺願望をともなうような
酷いうつ状態が現れ
全体の1〜6%と
そんなに多い比率ではないので
同じ女性同士でも
共感を得られないこともあったりするそうです
そう分かってからは
落ち込み始めても
生理のせいだとおもうと
なんとか乗り越えられる部分も増えて
とてもありがたかったです
自分の性格を責めすぎることも
少なくなりました
私の場合は
10日前くらいから
異様に眠くなって
ああ、これからはじまるんだなと思います
必ずといっていいほど死にたくなっていたので
今月は生きて帰ってこれるかなと
思いながら
1週間ほどかけて精神症状が
どんどんひどくなっていきます
どんなに人生がうまくいっていても
関係なく
耳元にメガホンで叫ばれているように
絶えず24時間
ずーっと「死ね」という大声が
響いていたり
痙攣のような症状をおこして
布団から起き上がれなくなったり
ある時などは
新宿東南口の陸橋から
衝動的に飛び降りようとして
慌てて手すりを乗り越えようとする
自分の手首をつかんで
必死に耐えていて
そのとき
いつかこの病気に殺される
とゾッとしたのを覚えています
この時期になると
いつもとは顔つきも違うらしく
家族など近しい人には
すぐ分かるようです
表情に乏しくて
目つきがキツく
固まったような顔をしているそうです
そしてその症状が
ふっと止む瞬間があります
「なんか、そんなふうに思い詰めて
考えることないかも・・」と思った瞬間
ふわーっと瞳孔がひらいて
肩の力が抜け
視界が広くなって
気持ちが楽になります
壁までしか見えてなかったのに
天井まで目に入る感じ
いままでが針の穴のように
視界が狭くなっていたのに
気がついて
そして、その日のうちに
生理がきます
「なんだ、また生理だったんだ・・」
そう思うと
毎回のことなのですが
本当にほっとします
生理が来るとお腹が痛かったり
体調が悪かったりするんですが
そんなこと関係なく
小躍りしたくなるくらい嬉しくなります
例えていうと
悪魔に取り上げられていた脳みそが
帰ってくるような感覚です
自分の頭で
考えられるのって
本当にありがたい、、と
涙が出そうになります
そんなときに描いた絵が
この絵です


グチャグチャの気持ちが耐えられなくて
描いたのが1枚目の絵で
そしてそれが
潮が引くように楽になっていったのが
2枚目の絵です
毎月、うつ病をやっているようなものなので
酷いときは
本当に辛くて仕方がないのですが
時期が来ると
冗談みたいに症状がひいていくので
この気分の落ち込みは
本当に脳内の成分が起こすものなんだなーと
実感しています
男性もうつ病にはなったりすると思うし
何年も戦うことがあるというのは
聞くだけで
どんなに辛いことだろうかと思いますが
毎月、この症状が引いていく瞬間を体感すると
辛いのは脳内成分のせいだから
自分を責めたりしないで
この治る瞬間の気持ちよさを
味わってほしいなと思ったりします
ちなみに、この治る瞬間は
めちゃくちゃ気持ちがいいです
ただ分かってはいても
はじめのころは
どうしても
決まった仕事を続けるのが
やはり難しかったです
その時は、接客のお仕事がメインだったので
一定のクオリティの自分を
安定して同じ時間に
提供しつづけることが
何より大切だったのですが
ひと月に数日は必ず
起き上がれなくて
人と会えなくなる
何もできなくなる
働いても調子が悪いし
休んでも信用をなくしていくし
信用をなくしていくことに
また自信をなくしていく
自分はダメな人間だと思いながら
仕事を辞めていきました
こんな生活の中
1ヶ月のうちに
たった3日でいい
安心して、人間でいなくていい時間を
自由に確保できたら
と、願い続けていたのですが
絵を描くようになって
これが本当に楽になりました
絵を描くという生活スタイルは
納品さえきっちりできれば
その間の時間管理は自由だし
脳内の爆発は
そのまま創作の力に
することができるし
その勢いを使って
色々な制作活動を
続けていくことになります
よく「絵で生きていくなんてすごいねー」
と言われたりすることがあるのですが
私の場合は逆で
絵じゃないと生きていけなかった
というのが正解に近いと思うのです
わたしだって有給もらって
ボーナスもらえる
人生がほしかったわい
でもこればっかりは仕方のないことです
今では、とてもうまく症状とつきあえているので
そのことで悩むことは
本当に少なくなりました
この前、たまたま
知り合いの人と
そんな話しになって
その人も
実は生理前に不安定になって
旦那さんと喧嘩してしまうので
こまっているという話をききました
きいてみないと分からないだけで
みんないろいろあるんだなとおもいつつ
この絵を見せながら
自分の体験談を話すと
すごく共感してもらうことができました
この絵を見てくれることで
自分だけじゃないと
すこし楽になったりしてもらえると
嬉しいなと思いつつ
彼女の笑顔を見ていました
この絵が、また
同じように悩んでいる
女性たちに届いていくといいな
そして男性の方たちも
そばにいる女性が「悪魔」になったときには
原因を究明して改善しようと
努力したりなどせずに
少年ジャンプなんかを読みながらでいいから
「別れん、別れん」と
自然体で気楽に
ききながしてほしいと
思ったりします