お茶が生み出した世界
昨日の「麒麟が来る」第3話では
岡村さんが演じる「菊丸」が、薬草を積んで
手土産に持ってきているシーンがありました
その辺に生えているから、いくらでも取ってこれて
煎じて、薬として飲むと
神農の時代から、お茶もそのように
身近な万能薬としてのまれていたのかなーと思いました
そんな万能薬が
あるときから政治に使われるようになりました
織田信長の「茶の湯政道」です
それまでは、道元禅師の「茶礼」から始まり
利休が茶道を作り上げた
その茶道は精神性を中心としたものだったのが
政治の中心にもなりました
でも、これは考え方によっては
信長のすごさを表しています
室町時代まで、武士と権力者の関係は
御恩と奉公で、成り立っていました
武士たちは幕府に忠誠を誓い
戦とあれば、「すわ鎌倉」と、駆け付ける
しかしそれは、幕府が自分たちの土地を安堵してくれる
ということが前提で成り立っている契約でした
つまり、ギブ&テイク
お互いの利益でつながる関係性です
でも、そのままでは、力があるものが
現勢力を打倒し、新しい勢力を作る
でも、また次の勢力が現れたら・・・
下克上まっしぐらの、戦だらけの国になってしまう
そこで、信長は「茶の湯政道」を生み出したのではないか?と
茶の湯政道では
信長の茶頭である利休を中心に
武将たちが茶の湯にいそしみました
そして、利休を精神的、思想的師匠として
人間関係を作りました
たとえ、仲の悪い武将同士でも
利休のツルの一声で、互いに剣を収める・・・
実利、損得でつながる関係性は
簡単にほころんでしまいますが
精神性、思想性で師匠の下に集いつながる関係性は
なかなか壊れることはありません
これは、茶の湯政道が、秀吉、家康と受け継がれたことでも分かるように
日本という国をより強く団結させるという意味において
とても素晴らしいアイデアだったと思います
実際に、信長がそういう事を意図してやっていたかはわかりませんが
そういう意味合いが0ではなかったとも思います
お茶ってすごいですね