ChatGPTやMicrosoft Copilotで、英検のライティング問題の回答作りを試しています。
小学生が英検のライティング(特に2級以上)に取り組むとき、一般的な(高校生向けの)解答例はあまり役に立ちません。
そこで、生成AIを使って小学生向けのサンプルが作れないだろうかと考えたのがきっかけです。
「一般論」をもっともらしく、流暢に
英検のような語学試験のライティングでは、「オリジナリティ」とか「面白さ」は二の次で、与えられたテーマに対して、ごく一般的なことを「もっともらしく」「なめらかに」語ることが何より必要だったりします。
その意味で、確率論で文章を生成するAIは、ぴったりのツールのように思われます。
もちろん私はエンジニアリングのバックグラウンドはありません。最近、勤め先でCopilotの活用が奨励されるようになり、使い始めたばかりです。
試しに、ChatGPTやMicrosoft Copilotに、英検ライティングのお題を与えて、テンプレート、ワード数、英語レベルを指定しました。
すると、いかにも「それらしい」エッセイが返ってくるではありませんか。
しかしながら、その内容は当たり外れが大きいというのが、今のところの印象です。
※ 「当たり」の出力を、このあと下の方に掲載していますので、是非ご覧ください。
タスクを絞って「アイデア出し」「表現の工夫」に使う
特に、エッセイ全体を一気に出力させようとすると、なかなかこちらの期待通りの内容になりません。
追加の指示を出して、出力を編集する、を繰り返すことになります。
これができるのが、まさにこのツールの良さなのですが、なんだかんだと時間を取られて、面倒くさくなってきます。
エッセイを丸ごと書くような、まとまったタスクを実行させるには、プロンプト(命令文)にかなりの工夫が要りそうです。
そういう複雑なことは、専門家にお任せするとして、もっと手っ取り早く、生成AIをライティング練習に取り入れる方法ははないものか…。
まずは、AIの作業内容を絞って、エッセイの部分的な「アイデア出し」や「表現の工夫」に使うのが良さそう、というのが今のところの感触です。
※ トップの見出し画像もCopilotに作ってもらいました。赤鉛筆で添削されたエッセイの画像を作って、とお願いしましたが、なんとも異様な雰囲気の絵が出力されました。鉛筆は外側は赤でも芯は黒く、文章は何語とも言えない不思議な文字が並んでいます。添削に赤鉛筆5本も多すぎでよく見ると違和感ありありです。
テスト・プロンプト#1:英検ライティングの具体例とアイデア出し
エッセイ・ライティングの構成である[主張]→[根拠]→[具体例 / 詳しい説明]のうち、最後の「具体例 / 詳しい説明」のアイデアを出してもらうことを試みました。
※ プロンプトは敢えて英語で書きました。もちろん日本語でも返してはくれますが、日本語を使うと、英検対策関連のサイトから引用されることがあり、これはありがたくないので、やはり英語を使うのがよいようです。
Copilotさんは、与えられたテーマのもと、連想される事柄を次々と返してくれました。
#1-1では、書き始めのセンテンスを与えて、想定読者は「6年生」(確率的に欧米の6年生が想定されるはず?)としました。
使えそうなアイデアやフレーズ(太字にしています)がたくさん出てきました。
次に、「理由を5つ」と指定してみました。
こちらも、分かりやすく自然な表現(太字にしています)が盛りだくさんです。
テスト・プロンプト#2:英検ライティングのリライト
次に、エッセイのリライトをCopilotにお願いしました。
リライトしてもらう素材として、英検2級の過去問(2023年第3回)の解答例を使いました。
こちらでは、想定読者を「中学生」としてみました。
※ このプロンプトを作成するために参考にした動画は以下です。
[ AI for TOEFL Writing: A Step-by-Step Guide ]
by Josh MacPherson @TST Prep
https://youtu.be/xWTIfpnPXcs?si=15-QYbfjq6w6CzG7&t=240
※ このテスト・プロンプトをコピペして使う場合には、#Templateや#Reasonsの内容を適宜入れ替えてください。
なかなか良い出来だと思いませんか。
英検協会の解答例は、日本語から英語に翻訳したような、ぎこちなさがありましたが、Copilotの回答は流れが良く、分かりやすく、表現が豊かになっていると思います。
これは「当たり」の場合で、実際には「外れ」も多いので、その点は覚悟してください。
テスト・プロンプト#3:英検ライティングのサンプル作成
最後に、エッセイ全体の作成をCopilotにお願いしました。
小学生が作文する場合、書きやすい「理由」があるので、それらを#REASONSとして提示して、盛り込んでもらうようにしています。
こちらでは、Copilotの会話スタイル=「より厳密に」を選択しました。
「it's」は「it is」とした方がよいと思いますが、それ以外は、そのまま使えるのではというくらいの出来映えです。
しかし、これも「当たり」の場合で、暴走することもありますので、注意が必要です。
Copilotは「63ワード」と報告していますが、実際に数えると77ワードです。
なぜか分かりませんが、Copilotはワード数をよく間違えるようです。
まとめ
勤め先でMicrosoft365/Copilotが導入されました。日常の業務でも急速にAIの利用が進みつつあります。
英語学習においても、役立つツールになりそうなので、まずは英検ライティングについてあれこれ試しました。
今回、Copilotとのやりとりには専ら英語を使いましたが、実際には日本語でも、英語と日本語のちゃんぽんでも、なんでも対応してくれます。
ただ、日本語を使うと、日本の英検対策関連のサイトから文例が引用されることがあり、これはありがたくないので、プロンプトはすべて英語としました。
英語と日本語をまぜた会話がどんなふうになるか、試してみるのも面白そうです。これからも、やりとりを試しながら、チャット力を磨いていきたいと思います。
お読みくださりありがとうございました。
参考リソース
[ AI for TOEFL Writing: A Step-by-Step Guide ]
Chat GPT Prompts by Josh MacPherson