ギックリ腰の話
ギックリ腰になってしまった。
少し無理して働きすぎたのか、やってしまった。背骨やら脊髄やらが鳴ってはいけない音を立てて傷ついてしまう、アレだ。
その瞬間は夜寝ている時に突然起こった。数日経った今でも鮮明に覚えている。
夢を見ていた。最初はすこぶる、気分のいい夢だった。どこか懐かしい場所で、懐かしい顔ぶれの連中がいて、楽しい時間を過ごす、そんな夢を見ていた。そんな楽しい夢に突然、カットがはいる。
一瞬の出来事だった。つい1秒前まで楽しい時間を過ごしていたのに、突然なす術もなくベッドから落下している。そして、地面に落ちる寸前で目が覚めた。
みぞおちを強打した時のような、息が止まるような苦しさと共に目覚めた。頭はずっと混乱している。自分が酷い夢を見ていたことを少しずつ実感していく。
布団で寝ていたのに、ベッドから落下する夢を見て目が覚めた。なんと嫌な夢なんだ。まさしく悪夢といっていいだろう。時刻を確認すると深夜1:30頃。頼むから寝かせてくれ…と心の中で呟きながら、すぐにまた眠りについた。
次の夢は羊の夢だった。夢で羊を見るとは、なんとまぁ睡眠に良さそうな夢なのだ。今となっては、羊がそばにいるのが当たり前になりつつある日々を過ごしている。羊が夢に出てくるのも自然なことかもしれない。
そんな羊の夢も、一瞬でも切り裂かれることとなる。またあの悪夢がなんの前触れもなく、急にカットインしてきたのだ。しかも、今回はなぜか落下スピードが遅い。ゆっくり、ゆっくりと、ベッドから落下していった。
地面に当たるその瞬間、背中に強烈な痛みが走り、叫びながら悪夢から目覚めた。
あ、あれ、また同じ夢か…。
だがさっきより強烈だ。動けない。息ができない。
楽な姿勢を探し、たどり着いたのが土下座のようなポーズ。その姿勢で呼吸を整えるのに10分ほどかけ、冷静にさっきの夢は一体なんだったのか考えた。
あまりにも、理不尽すぎる夢だ。あの悪夢は夢の中でどんな場面にいたとしても、前触れなく突然襲ってくる。それがいつ来るか自分には何も分からない。あまりにも惨い、慈悲のかけらも何もない一方的な暴力のような夢だった。
時間が経つにつれ、呼吸は整ってきたが痛みは増す一方だ。その日はそこから眠れず朝を迎え、数日間の休息を頂くことになった。
今はほぼほぼ、回復しているがまだ痛みは完全に引かない。ギックリ腰、誰にも起きる可能性があるからお気をつけて…。僕と同じ悪夢をもし見たら、それは身体から出ているSOSだと思うので、労ってあげてね。
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