一人暮らし・考
「一人暮らしだなんてしないほうがいい。親は心配するし、お金は大事。」
先日、課の飲み会があって同じ係のおばちゃん職員とそんなやり取りをした。その方には娘さんがいて、たぶん親目線で自分に語ってくれたのだと思う。
今までの自分は、「早く自立しなきゃ」という意識が強かった。
年齢的に今年で25歳を迎え、いつまでも親に甘えているわけにもいかないし、このままではまずいという考えが常にあった。
なんとなく周りの目も気になっていていて、同世代ぐらいの人は遠方から就職して実家を離れている人が多い。
うちはジョブローテーションで3~6年で異動することになる。
特に若いうちは期間が短いため、早ければ来年度には異動する可能性がある。
今がいちばん現在の仕事に慣れていて、知識や経験がある中で余裕のある時期ではないかと思い、このタイミングで一人暮らしを始めることを決断した。
正直、実家は居心地がよかったので一人暮らしはやりたくなかった。
お金もかかるし、身の回りのことをすべて自分でやっていかなくてはいけない。でも、それらを含めて勉強になるかなと思い今に至る。
けれどおばちゃん職員の話を聞いて、一人暮らしを選べるのは、恵まれた環境で働くことができているのが大きいと思った。
自分と同世代の人には派遣や非正規で働いている人も多くて、きっとそういう人たちは選ばざるを得なくて、実家に住み続けるか、生活がギリギリでも一人で住む選択をしなくてはいけないような気がする。
自分みたいに気ままに始めるのとはちょっと違う。
「結婚してから家を出るでも遅くないんじゃない?」とも言われた。
今のところそんな予定はなくて、もちろん相手もいないわけで…
自分の人間関係の8割くらいはパートナーがいて、「結婚するかも」みたいな話も聞くようになった。もうそういう時期に来てるのかと思うと、寂しさが胸を掠めていく。
自分だけが置いてけぼりにされて、
追いつこうと必死になってみたりするけど、周りとの距離は全く縮まらない。
速足で駆け抜ける日々に疲弊して、余裕がなくなって…
どのコミュニティにいても「顔がいい」と言われることがある。
そのおばちゃん職員にも言われた。
自分で言うのもあれだが童顔なほうで、コミュ障をこじらせている割に見た目でカバーできている節がある。
だからといって、恋人のいた経験はほとんどない。おそらく、外見も中身も幼いせいではないかと思っている。前の人と別れてしまったのもそこに原因があると考察する。
それで、少しでも自立したくて行動した結果が今なのだが、周りからはどうやら心配されているらしい。
なんてこった~
多少の後悔はあれど、自分で考えて行動した結果だから、前向きに考えたいと思っている。たとえ間違えても無駄にはならない決断だと思うし、失敗から成功に持っていくのは自分次第だと思いたい。
歳を取るにつれて、何か大きな決断をしたり、今までの習慣や考え方を変えるのが難しくなる。
若さ至上主義ではないけれど、それでも若いうちの方がいろんなことに挑戦しやすくて、失敗しても周りの人がフォローしてくれたりする。
職場のおばちゃんが気にかけてくれたのも、自分が若造であったからで、もし40歳くらいだったらこんなことで話題にはならなかったであろう。
それにパートナーのいる人たち全員が順風満帆かというと、案外そうでもないみたいな話をよく聞く。
他人と一緒に暮らすというのは大変で、今まで生きてきた時間や価値観が異なるのだから、それは当たり前のことで、パズルのピースのようにぴったりはまることなんてそうそうない。
みんなそれぞれの苦労があって、誰が得している・損しているという話ではない。
神さまは気まぐれで、思い通り・予定通りとはなかなかいかない。
だけど、一生懸命やっていれば後からいいことが起きることもある。
人はよく迷うものだけれど、
迷えることもまた幸せなことなのかもしれない。
いつかいい人に出会えるように、これからも自分にできることをコツコツやっていこうと思う。いい人ってどんなかはよくわからないけれど…