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自己嫌悪との向き合い方

人間の脳が成長しきるのはだいたい30前後と言われている。思春期や20代はまだまだ発達段階で、自分に対する認知が冷静にできない。なので、自分のことを低く見積もったり、欠点ばかりが気になってしまうそうだ。

つまり、自己嫌悪をなくす方法は、歳を重ねていくということになる。老いれば、物事を冷静に捉え合理的に判断できるようになり、また一種の諦観が生じてくる。

自分にできることとできないことの区別がついてくるということだろう。

じゃあ若いうちは我慢するしかないのか?

ある程度の葛藤のある人生の方が、何も考えない人生より健康的に思える。

不安や恐怖の感情が強すぎて自殺してしまうのは、ちょっと行き過ぎだと思うけど、それでも何もネガティブな感情を感じないよりはあったほうが人間っぽい。

捉え方を変えて見るのが一つの手だ。

不安や焦りがあるから、将来に向けて計画を立て備えようと動くことができる。

自分の失敗に対して過剰に反応してしまう人も、他人が同じ失敗をしたときにその辛さがわかるから、その人に優しくすることができる。

こうやって考えれば、あんがい不安な感情も悪くはない。

もし毎日ハイな気分で過ごしている人がいたら、その人はもう薬をやっているとしか考えられない。誰だって嫌なことがあれば落ち込むし、体調がすぐれないときだってあるし、思い通りに事が進まないこともある。

だから、自分のことが嫌になってしまうような出来事があったとしても、それは自分だけに起こった特別なことではないということ。意外と周りの人に相談してみたら、似たような経験をしていたり、どうやって克服したのかアドバイスをくれるかもしれない。

そもそも、「人間の価値」というのは計る方法がない。客観的な指標があるわけでもないし、学歴や肩書があるからと言って、その人が自分に満足しているとは限らない。

大事な人を失くしたり、周りの人間から評価されなかったり、他にも悩みは尽きないだろうよ。

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まずは自分のことを大事にすることを意識しよう。

自分の欠点や抱えている問題を消そうとするのではなく、まずはあるという事実を認め、どうやってこの先対処したり、生かしていくかを考えた方が建設的だ。

現代は自分の感情をいかに速く処理できるかに焦点を置かれがちだが、自分とじっくり向き合うことも大事だろう。

多様性を重んじる時代なのだから、もっと自分の欠点すらも多様性の一部だと捉えても何も問題ないし、何でも自分で解決できる人よりも、どこか頼りなさや欠点を持っている人の方が親しみが湧くものだ。

早急に解決しなきゃいけない問題って案外ないし、放置していたら勝手に解決されているときもある。

だから、もう少し生きるペースを落としてゆっくりしてもいい。そうしていれば、なにか自分の嫌いな部分を生かすアイディアが生まれてくるかもしれない。

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誰もが上手に自分と他人とのバランスを保ち、良好な関係を築いているわけではない。生涯、他人と衝突しないことはないだろうし、誰かに傷つけられたり、自分が相手を傷つけてしまったり、そういうのはどんなに気をつけていても回避することは不可能。

他人を嫌う自分を許せないと、自分を嫌う他人も許せない。

他人のことが嫌いになってもいいし、そんな自分を認めることで、他人から嫌われることが恐くなくなる。

自然に湧いてくる感情なのだから、嫌うことも嫌われることもあるだろうと思うことで、精神的に安定した人間関係が築けるようになる。

ときには傷つく経験も人生には必要だったりする。そうやって少しずつ大人になっていくのかもしれない。

優しさは伝わる人に伝わればいい。

まとめ
・脳が成熟しきっていないから、特に若いうちは不安や焦りが増幅してしまう
・ネガティブな感情が湧くほうが人として健康的
・不安があるから将来に向けて備えることができる、人に優しくすることができる
・「人間の価値」を計る物差しは存在しない
・人から傷つけられ、自分もまた人を傷つけてしまうもの。それが人生であること。



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