朝利権 vs ラフ・シモンズ。あるいは赤子の親と魘夢の話
朝利権という言葉
朝利権という言葉がある。
いや厳密にはない、んだけれども……ある。
正確には、局所的に使われ始めている。
具体的には、「ビジネス書を100冊読んで教えをまとめてみた」という企画で有名な堀元さん界隈。
意味はざっくり:
早起きして、朝ならではの活動をはやめにおこなう事こそ美徳であり、論理的に正しいと信じること
及び、その思想や具体的な行動を周囲へと”啓蒙”する人たち
あたりで。
堀元さんの用例としては、「早起きは1億円以上の得だし 超早起きは30億円以上の得を生む」といった文を引用しながら、「これは、朝利権かつ過言である」というように小気味よくイジるといった具合だ。
そしてお気づきかもしれないですが、私は朝が苦手である。
むっちゃ寝るし、生産性が高いのは真夜中。
ごめんよ、朝利権。辛いよ、朝利権。
手放さない雑誌と対朝利権レジスタンス
そんな私には、朝利権から心理的な安全性を確保するためのちょっとしたお守りがある。ファッション誌「VOGUE HOMMES JAPAN」の VOL.2”だ。
買った理由は一つ。尊敬するデザイナー ラフ・シモンズのインタビューが乗っていたからなのだけれども。
手放さない理由は彼が対"朝利権"レジスタンスだったからだ!
同誌インタビュー「ラフ・シモンズへの100の質問」の中で彼はこう述べています
確信を持ったトーンで声に出したい日本語。「わたしは9時間睡眠が必要」
彼は他にもこう言っています。
まじかい兄さん。睡眠時間、長くなっていったのではなく、短くてなっていったのですかい(驚)
DIORやジル・サンダーなどでトップノッチの成果を出し続けている彼が「超よく寝る」ことは、朝利権からの冷たい風よけにとしてほんっとーーーうに心強い。
朝利権の正反対はラフ・シモンズ派。ヨコにいるのは「赤子の親」と「魘夢」
で最近、ふと思ったのです。
なぜ、朝利権の方にはちょっとした怖さ、ゴリ押し感、スパルタ感があるのかと
逆になぜ、長く寝ること。「遅く起きていいよ」ということには、優しい雰囲気が伴いがちなのか。
なぜ、真逆の状態(優しい朝利権と怖いラフ・シモンズ派)は成立しにくい気がするのだろう。
逆はなんだろうと。
優しい × 起きたほうがいいよ と、
怖い × 起きないほうがいいよ って
なんだろう
で、ふと気づいたんですよね。
「休息を促す」が「怖い」状況って、フィクションじゃないとなかなか成立しないではないかと。
優しい × 起きたほうがいいよ
は、まぁあります。
赤ちゃんをあやす親は、厳しく子供を起こしたりしませんよね。
問題は左下です。
怖い × 起きないほうがいいよ
の箇所については
例えば、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」におけるデス13というキャラクター。敵が眠っている間に、夢と現実で相手を殺傷するという架空の能力を持っています。
他にも、トレンディな例でいうと鬼滅の刃に出てくる魘夢(えんむ)という敵キャラですね。映画化作品で登場していました。
他者を眠らせて、眠っている間に危害を加えるキャラクターです。
というわけで、さっきの図の左下はフィクションにならざるを得ませんでした。
おわりに
という感じで、今回は小ネタのような記事でした。
ちなみにラフ・シモンズの好きな食べ物は、カリフラワーとベルギーのポテトコロッケ。好きな言葉は「individuality」だそうです。
Good Night!
出典
Cover photo by Simon Infanger on Unsplash