新社会人直前だけど、隠居がしたい。
私は隠居がしたい。
隠居したい人に対して、「どうして隠居したいのか?」と聞くのは、
野球選手に「どうして野球やってるんですか?」って聞くのと同じようなことだと思う。
それは楽しいからとか幸せだからでしかない。
野球をお金稼ぎのためにやってる人は現代じゃいないんじゃないだろうか?だって、お金が欲しいんだったらよっぽど経営者とか起業家とかになった方が効率がいい。
それでも野球をやってるって事は、野球をやってる時間というのがすごく楽しいからだろう。
私にとっての隠居も同じだ。
言いたいこともわかる。
なんか隠居ってマイナスなイメージがある。
けれども、そんなに悪いものじゃないと思う。
逆に隠居がなぜ悪いのか?っていうことをもっとちゃんと考えなきゃいけない。
例えば犯罪がなぜ悪いの?って言われたら、それは他人を傷つけるから。
じゃあ隠居はどうして悪いのか?
世間の役に立ってないから?親の金に頼っているから?健康に悪いから?
でも私が目指してる隠居っていうのはそういうのじゃない。
親のお金を頼りにして生きていくつもりはないし、
きちんと健康的に、朝ある程度の時間に起きて、ある程度の時間に寝る。
(家の中が好きだから冬は家から出ないかもしれないけど)
役に立ち方にしても色々ある。
例えば、私はこうしてnoteを書いてるわけだけれども、たまに
「勉強になりました」「参考になりました」と、コメントをくれる方がいる。
これって少なからず、他人にいい影響を与えられていると言えるのかもしれない。
他にも隠居していても、近所の人と話すとか、
困ってる人をちょっと助けるとか、そういうのでも全然役に立っている。
他にも定期的に家族に顔を見せに行って安心させる。
友人とゆっくり話をする。
そういうことも役に立つって言えるんじゃないか?
逆に一般的に社会人って言われるものは、そういうところを失っている。
家族とゆっくり話す。親に会う。
街中で困ってる人を助ける。
そういう時間とか、心の余裕とか。
そういうものを奪われてるんじゃないかなと、私は感じる。
もちろん、欲しいものがあるとか、実現したい夢があるとか。
そういう人もいる。
そういう人のことを否定するつもりはないし、そういう人も素晴らしいと思う。
でも私は、欲しいものがほとんどない。
この 12 月、Amazon で買ったものは中古の本 2 冊。合計で 300円。
その程度のものしか欲しいと思わない。
Q.実現したい夢は?
A.その夢が隠居なんだ。
私はまだ幼いけれど、欲しいものを追いかけ続ける空虚さはしっかり味わった。
一番味わったのは、中学高校時代の文房具。
かっこいいと思った、欲しいと思った文房具を、今よりもお金がないのに次々と買っていった。
それをTwitterで写真をあげて、「いいね」をもらおうとしていた。
でも思うようにいいねが伸びたくて、思うようにかっこいい写真が撮れなくて。
Twitter には、もっと写真を撮るのが上手い人、もっと珍しいペンを集めるのが上手い人、もっとお金がある人、たくさんいた。
勝てるわけなかった。
いつまでも満たされず、でも欲しいという思いだけが、先行して。
沢山の、お金と、時間と、労力を失っていった。
成人する前に気付けて良かったと思う。
これが社会人になっても気づかなかったとしたら。
「欲しい」の対象がもし、高級腕時計になったとしたら。車になったとしたら。
どれだけお金と時間を無駄にして生きていっていたんだろう。
恐ろしくなる。
私は不特定多数の人に、偽物の幸せを与えることには興味がない。
それより。自分の近い人。
自分自身と、家族と、友人と恋人だけでも。
それだけを幸せにできる。
私はそれでいい。
本来人間ってそうじゃない?
私が生まれた時代に勝手にインターネットというものがあり、車というものがあり、飛行機というものがあり。
だからなんとなく、「何かを実現できるんじゃない?」というふうに考えてるけど。
じゃあこれが原始時代だったら?
インターネットも車も何もない。
どうやって声が届かない範囲の人に何かを伝える?
声を大きくして、ある程度遠くに届けるということはできるかもしれない。
それでも1 キロ届くかどうかだ。
その時に願うことって。
もっと称賛されたいとか、もっとたくさん物が欲しいとかじゃなくて、
自分と一緒に暮らしてる仲間が幸せであってほしい。
その程度のことじゃない?
私が産まれた時にはもうたくさんのエンタメがあった。
テレビもあったし、映画もあった。
その中でたくさん、「世界にはこんな人がいますよ!」「こんなこともできますよ、あんなこともできますよ!」「こんな新しい製品がありますよ!」
だから私たちは自然と夢を見てしまう。
夢を見ずにはいられない社会の中に生きて。
そしてそれを追いかけることを半ば強制され。
でもそれって本当にあなたの夢なだろうか。
見ろと言われて見た夢は本当にあなたの夢なんだろうか?
本当に夢だったとしても、その実現を強制する権利は誰にもない。
もしかすると、隠居を始めると生まれる夢もあるかもしれない。
生まれるかもなと想像できるのは、
現代社会で生きることに疲れた人たちに「隠居っていう生き方もあるんだよ」って知らせることかもしれない。
でも今のところはそれはまだ、『社会的に自分が好きなものを他人にも教えなきゃいけない』という思いにまた引っ張られてていて、ちゃんとした夢だと言えない。
ただとにかく。
私自身と、仲間を幸せにする最善の方法は、今のところ私が隠居することなのではないかなと考えている。
隠居するためには、お金が必要。
それは私の場合、生活保護とか親のお金とかそういうのではいけない。
だから、社会人としてある程度働いて、お金を貯めて、いち早くリタイアして。もしくはある程度のお金とバイトを併用するのか、それともバイトのみで食べていくのか。
それはわからない。
けれども少なからず隠居するのであれば、親とか国のお金は当てにしないようにしておこうと思っている。
もうすぐ新社会人になるわけだけど。
今の私の意志以上の楽しさとか、やりがいとか、生きる意味とか。
それを仕事を与えてくれるんだろうか?
もしかすると、数ヶ月後、仕事が楽しすぎて、
「いや、隠居なんか絶対に考えられない!」とかになってるかもしれない。
それだったらそれでいいさ。
だけれども、そうじゃないのであれば。
いち早く隠居がしたい。
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