[GBA:15] 鬼武者タクティクスと私。
今回は「鬼武者タクティクス」について綴る。
先に述べるが、「鬼武者タクティクス」は万人にオススメできるタイトルではない。
だが、私のように謎の魅力に取り憑かれる人もごく稀にいるかもしれない。
そんな不思議な一本だ。
鬼武者と私
まず前提として、私は「鬼武者」ファンである。
アクションとしても好きだが、「狙っていない笑い」とでも言うべき要素が大好きだ。
「鬼武者」を遊んだ記憶は私の学生時代を彩る楽しい思い出なのである。
<狙っていない笑いの例>
海を渡る手段がカジキ型ジェットスキー
ラスボス戦が3Dシューティング(刀はどこへ行った?)
モンサンミッシェルの地下で築城された安土城が日本まで空飛んで来る
安土城の件など、泥酔状態で台本を書いたのか?と疑うレベルだ。面白すぎる。
鬼武者タクティクスとは
発売は2003年7月25日。
SRPGとして、よく言えばオーソドックスな作り。悪く言えば無個性。
何を狙って本作を企画したのか、クリアした今もよくわからない。謎だ。
ではシナリオはどうかと言うと、明らかにテキスト不足。
必要量の30%くらいしかない印象で、猛スピードで物語が展開していく。
敵に襲撃された里はすぐ滅びるし、初対面のキャラも主人公に対して「おもしれー奴!」みたいな事を口走って秒で仲間になる。
更に織田信長を倒してしまうので、「鬼武者3」と話が繋がっていない。
その割には「鬼武者2」のキャラがそのまま登場するので滅茶苦茶だ。
シナリオ担当さんちゃんと仕事して下さい!と言いたくなる。
しかし、「鬼武者タクティクス」はそんな細かい(細かくはない)ことを気にすべきゲームではない。「Don’t Think. Feel!」の精神で遊ぶべき作品なのだ。
私は次のテロップにおいてそれを悟った。
このゲームソフトのストーリーはつくり話です。
ゲームを始めると上記のテロップが画面に大きく表示される。
ゲームなので作り話は当たり前だが、当たり前を強く注意喚起してくるスタイルに痺れた。
製作陣は決してギャグとしてテロップを入れていないだろう。
しかし私は思わず笑ってしまった。
この狙っていないのに笑ってしまうシュールさに私は「鬼武者らしさ」を確かに感じたのだ。
シリーズ作品との整合性など関係ない。
史実とは異なる順序でイベントが起きようが些細なこと。
感じるままに、猛スピードで展開していく物語に身を任せよう。
その強引さが一周回って快感になる。私はなった。
好きなユニットBEST3
キャラクターの掘り下げなどないに等しいが、それでも好きなユニットを紹介する。
第3位 王仁丸 (おにまる)
忍びの里出身の非忍者主人公。
攻撃・耐久どちらも高性能で、「極・六連斬」には非常にお世話になった。
「鬼武者変身」できるが、経験値を得られないデメリットが重いので使わなくてOK。
第2位 雑賀孫一
火縄銃をアサルトライフルのように連射するすごい人。
「鬼武者2」続投組の1人である。
四神獣・白虎の力を宿しているが、当然詳しい説明はない。
遠距離エースとして雑魚削りからボスへのトドメまで大活躍だった。
第1位 明智光秀
終盤に加入するお助けユニット的存在。
性能があまりにも自重しておらず、この光秀なら絶対に三日天下で終わらない。
特に特技がぶっ壊れていて、攻撃技2種は他キャラの必殺技がお遊戯に感じるレベル。
更に味方全員の攻撃力&防御力を2倍にする狂ったバフ技も使える。
燃費の悪さだけが弱点だが、アイテムでいくらでもカバー可能。
まさに何でもできる最強万能ユニットだ。
鬼武者タクティクスを終えて
「馬鹿な子ほど可愛い」という言葉がある。
表現は悪いが、私にとっての「鬼武者タクティクス」はこの一言に集約される。
万人にオススメできるタイトルでないことは間違いない。
しかし、私は説明不足すぎるシナリオが逆に癖になってしまい、他の「鬼武者シリーズ」同様に大好きなタイトルになってしまった。裏本能寺って何だよ!
さぁ、次のゲームへ行こう。