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【全文公開】大成功だった展示会の翌日にブランドやめようと思った話。
先の冬、みんふという国産テキスタイルでつくる寝間着のブランドで初めて展示会に出展し、以下の記事を投稿しました。
(多くの方に読んで頂き光栄です!)
これから全国に広げていくぞ、がんばるぞというまっさらな気持ちで挑んだ展示会。
おかげさまで50社を超える名刺を頂き、取材2件、商談成立4件と、初参加且つ誰も知らないブランドにしてはまぁまぁの船出だったのですが、展示会中にあることに違和感を覚え、展示会を終えて1ヶ月後にはブランドを仕切り直す決心をしていました。
感じた違和感の正体…それは、一番伝えたかった国産テキスタイルの多様性ではなく、パジャマの文脈でしか商品を判断していただけなかったということです。
これは完全に私の設計ミスで、もちろん展示会自体にもバイヤーさんにも何も罪はありません。
展示会は非常に参加する価値のある有意義なものでしたし、あらたに立ち上げるブランドでもまた参加したいと思っています。ここでの出会いをきっかけにみんふのPOPUPを企画してくださった方々には純度100%の感謝を申し上げます。
じゃあなんで?
手前味噌甚だしいのですが、プロダクトが可愛すぎたんです!
展示会で立ち止まって商品を見てくださったり話を聞いてくださる殆どが女性のバイヤーさま。
一言目が「かわいいですね!」からの「パジャマ欲しいんですよね~」。
すごくありがたく、そこからテキスタイルの話も興味深く聞いてくださる方がほとんどだったんですが、以前からPOPUPの店頭で伺ってきたお客様の声とバイヤーさんの声がリンクしてしまったのです。
みんふでは「かわいいパジャマ」以上の価値をつくれないかもしれない。
最終日終わっての打ち上げで、手伝ってくれたデザイナーさんにぼやいてしまったのを覚えています。
私のみんふでの目標はあくまで、私の大好きな”伝統的な工業布”の存在、そして伝統製法ならではの素朴でここちよい手触りをたくさんの方に知っていただくこと。
かわいいパジャマをつくって売ることではありませんでした。
みんふでは、多くの要素が混在していたこと、私の人間力ではそれらをうまく使い分けて本質的な価値を伝えることが出来なかったんだと思い知りました。
この、商品の思いを伝えたい人間の誰もがぶつかり悩む「伝え方」という超難題の正解ははっきりとは出せていませんが、コンセプトをこねくり回し過ぎたんだろうなと冷静になって思います。
デザインに邪魔されず、多くの人に袖を通してもらえると信じ選んだ素材が寝間着(パジャマ)でしたが、もっとシンプルに素材と向き合う方がいいのかもしれない。今はそう思っています。
ただ、商材としてのパジャマの需要は高いこと、パジャマの奥深さはよくわかったので、パジャマのブランドも改めて立ち上げる予定で進めています。
こちらには”伝統的工業布”は使いませんが、国内で製織された生地を使い、国内で縫製をするという私のスタイルは変えません。
盛りすぎた要素をひとつひとつ棚卸しした結果、toB(i宿泊施設向け業務用)のセミオーダーというやり方で進めることにしました。
みんふは一旦終了しますが、ブランドの大まかな世界観は次のtoB事業に引き継いで来春辺りに発表できるよう、準備していきます。
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またややこしい方に進んでしまったな…と周りにもよく言われるし自分でも自覚してます。
ですが、従業員は私ひとりだし、軸となる事業は別であるので多少失敗しても生きていけます。健康で元気なうちに考えたことを実現して失敗も楽しんでいこうと思った次第です。
伝統的な工業布をどう使い、認知と消費をどう高めていけるかは人生の課題として長期的に考えていければと思ってます。
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