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『ユンヒへ』あの人どうしてるかな……なんて過去の恋愛を思い出したときにおすすめ映画

高校時代の恋愛って、たまに思い出しませんか?
恋愛の種類によりますが(ハードな恋もありうるので)、10代の恋は、たいてい初々しくて、ちょっと切なくて、思い返すと恥ずかしい……そんなものかもしれません。

だけど、あの頃の日々は、100%純粋に自分たちだけの日々ですよね。
なぜだろう、大人になると、恋愛も純度が下がってしまう気がします。
欲望や嫉妬、損や得や、いろんなものが混ざって純粋じゃなくなってしまうような。
そこから人間同士の本気の向き合いが始まるわけですし、それはそれで、悪くはないのですが。
でも、あの10代の恋愛ならではの純粋さを、懐かしく思うこともあります。

『ユンヒへ』という韓国映画をみました。主人公は、韓国人のユンヒと、韓国と日本のハーフ、ジュンという二人の女性。
疎遠になっていたのですが、40代になった二人の関係性は、一通の手紙をきっかけに動き出すことになります。
ジュンは高校時代まで韓国で暮らしていて、そこで二人は出会い、恋愛が生まれたようです。
ユンヒとジュンの若い頃の描写が少なく、どのようなお付き合いだったのかを明確に描いていません。

そこがいいと思いました。

例えば、キスシーンだったり、ベッドシーンだったり、恋愛映画にありうる描写を入れていないので、ふたりがお互いをどのように愛していたのかは想像するしかないわけです。

プラトニックだったのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

恋愛関係にあった二人の女性の関係性の雰囲気を味わえるのですが、そこには、自分の高校時代の恋愛を思い出すような、懐かしさと切なさが含まれています。

女性が女性を愛する物語は、ここ数年増えてきました。
『ユンヒへ』は、恋愛映画というカテゴリーに入っていますが、二人の女性の20年の葛藤の物語でもあります。

お互いへの思いを胸にしまって別々に生きてきた二人が、その思いを封印しなくても良い時代。
そんな新しい時代を、二人の子どもたちの世代となる、現代の10代の若者たちが持ってきてくれるんじゃないか。
そんな希望をもらえる映画でした。

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