アドビのコミュニティマーケターの2023年は「ユーザーコミュニティ活動で企業の成長をリードする」【後編】
※このブログは、コミュニティマーケティングAdvent Calendar 2023 の12/25分のエントリーです。
こんにちは、アドビの松井真理子(まつい・まりこ)です。
前編では、アドビのマーケティング戦略に「Community-Led Growth」と掲げたこと、数年ぶりに対面で実施したMUG Day、ユーザー分科会、Adobe Summit 2023、そして新たな試みである屋形船でのUser Groupについて振り返りました。
後編も引き続き、駆け抜けた私のコミュニティマーケティング2023を振り返ります。
<前編はこちら>
ユーザー同士の交流やアドビのファンになってもらうことを常に意識
アドビの社員以上にプロダクトに情熱があり、ご自身の専門知識や失敗談を周囲に共有し、社内外問わずデジタルマーケティング市場の活性化に協力する、そんな熱意のあるユーザーに私たちは支えられています。
そこでアドビは2023年、そのようなユーザーを「Advocate」と呼び、更なる活躍を支援するプログラムを立ち上げました。これは、2016年から日本ローカルで実施していた「Adobe Marketo Engage」のChampionプログラムを横展開する形です。
「Adobe Marketo Engage Champion」改め「Japan Adobe Advocates」という称号を掲げ、3つのプロダクトでプログラムを立ち上げました。
国内初 Adobe Experience Manager の 2023 Japan Adobe Advocates を発表
国内初 Adobe Analytics の 2023 Japan Adobe Advocates を発表
Adobe Marketo Engage の 2023 Japan Adobe Advocates を発表
同時に、ユーザー総会も横展開で実施。2日間、3プロダクトのユーザー総会を開催しました。
ここでの体験の工夫はビジネスポートレート撮影です。海外のイベントでは必ずといっていいほど設置してある人気ブース。Adobe Summitでも行列ができていました。
ご登壇をお願いしてもスピーカー用のお写真が手元にないマーケターのもいるので、結構ニーズがあるのではないか。そう考え、社内会議中に「日本であまりやっていないけど、スピーカー用の写真撮影できるサービス提供できたら良いよね」とつぶやいたら実現しました(前編で述べた生バンドも「その場でしか体験できない音を腹で感じたいよね」と私がつぶやいたからだった気がします)。
ユーザー同士のつながりが活発になるために何が必要なのか? アドビのファンになってもらうには何ができそうか? を常に考えるようにしているからこそのアイディアを出すことで、いろいろと実現に至っている気がします。
またAdobe Marketo Engageの横展開で他のプロダクトのアドボケイト、ユーザー総会を実施したことで、その後、Adobe Experience ManagerとAdobe AnalyticsのUser Group も継続的に開催できるようユーザーと一緒に立ち上げていきました。
製品への情熱があるエキスパートを称えて支援する「Japan Adobe Advocatesプログラム」
Japan Adobe Advocatesプログラムは、私たちの活動にはなくてはならない存在です。
年に1回、製品への情熱があるエキスパートを称え、プログラム化してアドビと共に1年間活動します。専門知識やベストプラクティス、戦略を共有し、製品ユーザーのリーダーとして他社ユーザーをサポートできるよう支援しているのです。
またアドビは、個人の専門性の成長が促進するようさまざまな機会を提供しています。Adobe Marketo Engageにおいては、前年のJapan Adobe Advocatesから今年のJapan Adobe Advocatesへバトンをつなぐ「Japan Adobe Advocates Forum」を2023年10月に開催しました。
Advocateとしてアドビと活動を共にしてもらうための認識合わせや、目指すべき方向性、これからの活動予定、先輩アドボケイトが1年間活動してみてどう感じてきたのかなどを全員で共有したのです。
「コミュニティが強ければビジネスは拡大する」の証明が今後のテーマ
さかのぼること2023年5月、 私はCMC_Meetup Tokyoに登壇し、初めてアドボケイトプログラムについて話しました。
そのときは“掛け算施策”というテーマを掲げましたが、実は登壇依頼をいただいた際、「掛け算施策って何ですか?」と、意味が分かっていませんでした。
コミュニティで成功しているユーザーの活躍の場を作り、そのコンテンツをターゲット層に届けるフィールドマーケティングの役割をこなしていた私は、施策を掛け算として意識したことがなかったのです。
このCMC_Meetup登壇を機に、CMC_Meetupの運営メンバーにも参画。“日本のマーケティングがグローバルの競争と戦える強さを持つ”というビジョンを掲げている私は、コミュニティマーケティングに可能性を感じていたので、CMC_Meetupを通じてコミュニティマーケティングに携わる人たち向けの活動ができる機会に巡り合えたこと、非常に感謝しています。
2023年9月は、運営チームメンバーとして初めてCMC_Meetupの聞き手や壁打ちの壁役を務めました。
様々な出会いと機会のおかげで視野が広がり、コミュニティマーケティングとは何なのかの解像度が上がった2023年。対面の活動が復活したので、足しげくユーザーのオフィスへ通い、User Groupを実施したことで、もしかしたらアドビ社内の誰よりもユーザーに会って話したかもしれません。
ユーザーのことを知れば知るほどユーザーと一緒に実施するマーケティング施策のアイデアが生まれます。もし、どんなマーケティング施策を実施したら良いか悩んでいるのなら、ユーザー同士の会話や声を聞くところから始めてみることが、もしかしたら一番の近道かもしれません。
これからのB2Bマーケティングはコミュニティの強さがキーになると、確信しています。私は、マーケティングがとても好きで、マーケターの成長と成功が何よりも嬉しいのです。ユーザーの”これやりたい!”という気持ちを引き出し、それを叶えるために施策を検討実施したり、誰かと誰かを引き合わせて悶々としていたマーケターの顔がぱっと明るくなったり....…成長と成功するマーケターと関わりながら社内外動き回る日々にとてもやりがいを感じています。
ただ、コミュニティマーケティングに私たちがリソースをかけ続けるためには
「コミュニティが強ければビジネスは拡大する」
これを誰もが分かりやすい指標で証明していかねばなりません。2024年はそんなテーマでAdobe User Groupの活動やCMC_Meetupの活動を、皆さんにお届けしていきたいと思います。