臨床心理士ママが「子育てで大事にしていること(1)」〜愛着の形成〜
「子育て終わってないけど、子育ての話を書いておきたい!」
昨晩、悪夢を見たのですが、その時に、「私にはまだ書くことがある!」と思って、まだ死ねない!と思ったのです(汗)。そして、その書くこととは、子育てに関することです。
私は小学4年生の女の子(ぴーちゃん)のママです。まだまだ絶賛子育て中で、子育てについて語れるほどの自信も実績も客観性も正直ないのですが、最近、私の親しい友人が何人か妊娠していて、「子育てってどうですか?」と聞かれることがたびたびあり、2022年現在の子育て備忘録「私が子育てにおいて大事にしていること」として記録しておこうと思います。どなたかの参考に少しでもなれば幸いです。
特に、自分自身の子育てからの学びと、大学生や、アディクション・依存症を抱える方のカウンセリングをした経験や、心理学の知識などを織り交ぜて述べていきます。
以下のテーマを予定しています。
○愛着の形成
○ペアレンティングスキルを身につける
○たくさん自然で遊ぶ:登山・キャンプのススメ
○自分の問題を見つめ続けること
○子育てへのセルフ・コンパッション
愛着関係の形成
赤ちゃんの頃から、基本的には、親子関係も人間関係の一つですので、楽しく仲良く!なろう、とユーモアを持つよう心がけてきました。
愛着関係が特に大切だと心理学でもさんざん習ったので、「子どもが困ったら、そばにいて寄り添えるママになろう」と思っていました。
愛着、アタッチメントとは・・・子どもにとっての安全基地に養育者がなることで、子どもが養育者に近づくことによって、安心するシステムのことを言います。
とはいえ、私自身は不安定型の愛着を持ち合わせている(汗)ので、自分が育ったように子どもを育てては、安定型の愛着が形成できないかもしれません。そのため、安定型の愛着パターンを持つ夫にも相談したり、たくさん書籍を読んだりしました。そもそも、私が心理学を学んだ理由は、不安定な愛着の世代間伝達を防ぐためだと思います。
特に、心理学では「情動調律」(ダニエル・スターン)が大切とされています。簡単にいえば、情動調律とは、「寒いの!」と子どもがいったら、「我慢しなさい」とか、「薄着だからよ!」と叱るのではなく、「今は、冬だし、とても寒いね」「うー寒い寒い!」というように子供の感情によりそい、共鳴し、共感しながら伝え返すことです。
感動したのは、まだ喃語しか話せない娘(0歳)が、「あうー」「くう」などしゃべって?いた時に、夫が「そうなのー、あうーたんなのう🖤」「くうーなのそうなのおお?」といった風に、娘の述べたことを、繰り返して、目を見つめて、頭をなでながら、共鳴しているのです。これが、情動調律か!と思って感動してしまいました。多分、実家ではあまり見られない感じ(汗)動画に撮って残しているほどです。
例えば、子どもが「今はまだ遊びたいから宿題したくない!」といった時に、情動調律的には、「そうなんだねー。今は。まず遊びたいんだねー。」といった風に、本人の気持ちを同定して、返す感じです。
これって、動機づけ面接(MI)のOARS、是認と、聞き返し、サマライズなどに似ていますね。
子どもに触れることで、子どもだけではなく、母である私も安心し、癒されるので、スキンシップはすごくよいなーと思います。子どもを抱きしめるとお腹がぐるぐるーと身体レベルで安心するのがお互いにわかるので、面白いです。こういう体を近づけることによって安心できることが、愛着の基本なのかな?と思っています。
健全な愛着が育つと、子どもは安心して、自由に周囲を探索するようになります。子どもの自発性を育てる意味でも、愛着に基づく基礎は大変重要です。
この引用にも見られるように、養育者が、子どもの、欲求や衝動、それに体の感覚についての調律(チューニング)することが非常に大切なのです。ここがうまくいかないと、子供が自分の感じている感覚を無視したり、否認したり、誤魔化したり、わからなくなったりします。
マインドフルネスを養育者が実践することで、自分への情動調律がよくなるので、結果として子どもへの情動調律もよくなる可能性は高いです。
依存症を抱える方の話を聞くに、家族のコミュニケーションにおいては「親は、口うるさくて、コントロールは強いけど、スキンシップは少なく、ユーモアもまったくなく、家ではすごく緊張していた」という話を聞くことが結構あるので、真逆を目指しました。
ユーモアがあり、スキンシップがあり、親が行使するコントロールについて自覚的(かつ乱用しないように)でありたいと思っていました。
愛着については、こちらのYoutube動画がわかりやすいです。
禁止しすぎない
養育者が自らの不安のため、子どもが自発的に振る舞うことを過度に禁止することで、ある種の発達の歪みがでることが指摘されています。
簡単にいうと、親自身の不安に基づいて、子どもの状況や行動を過剰にコントロールしようとすることや、世話を焼きすぎることも、子どもがありのままで自由に自発性を出すことに困難を生じさせてしまいます。
私はどちらかというと「あぶない!」「だめよ」と、心配性で過干渉な親に育てられたので、ずっと内面的には、漠然と色々なことが不安で、受動的で、自信がありませんでした。
40代になって12ステッププログラムや自己分析の効果か恐れを手放し、「自由に、自分は何をしてもいいんだ」とやっと体感できて、幸せを感じるようになったものです。それまでは、何をするのにも「これでいいのか、お母さんの許可がないと不安だ」とか、20代のころは、付き合っている男性にお母さん代わりの承認を求めたりしました(汗)
自分自身は、両親で話し合い抱えることのできる安全な環境の中で、子どもが、健康的に失敗し、そこから学んで立ち上がる体験をさせたいと思ってきました。失敗を未然に防ぐために躍起になるのではなく、安心して失敗できるような体験をさせてあげたいのです。守られた中で、安全に失敗してよいのだ!と思っています。人生を振り返っても、失敗から学んだことが、大きな智慧になっているのですから。
依存症は、コントロールが過剰になる病気なので、対人関係でもコントロールが過剰になることがあります。そのため、例えば、「子どもを叱りたい!」という状態にあるとき、その動機がどこからきているのか?を確認するようにしています。
単に自分の思い通りにさせたいのか?それとも、子どもにとって大切なことを伝えたいのか?自問自答するようにしています。
子育てのゴールは、責任ある、自立した、自己管理のできる大人に育てること
子育てのゴールは、子どもの自立です。いつまでも、親の言うことを聞く良い子を育てることではありません。有名大学や、有名企業に入れることでもありません。自分について、責任をとれる、自己管理のできる、自立した大人に育てることだと思います。
子どもが、なるべく、自分のことは自分でやれるように、教えることのほうが手間暇がかかることもありますが、少し「早いかな?」「危ないかな?」と思うことでも、自分の不安をなるべく抑えて、子どもの自発性を育てることを大切にするようにしています。
例えば、包丁を使うとか、料理をさせるということについても、慎重に見守りながら、子ども自身にやってもらうことを、割と小さいころから推奨しています。そして、トライして、失敗しても励まし、成功したら、共に喜びます。今も、失敗覚悟でよく炊飯を任せています(笑)
私自身は、小学校高学年まで親に服を選んでもらっていた記憶があるのですが(滝汗)、娘は保育園の時から自分で洋服を選び、小4の現在では、立派な彼女のテーストがあるので、そちらを尊重するように(ママはこれ可愛いとおもうけどな・・程度は口出しすることも時にはありますが)しています。
私は、我(エゴ)が強いことを自覚しているので、自分のテイストやエゴを子どもに押し付けないように、常に自問自答しています。
回復におけるペアレンティングについての本で、現在翻訳中なのですが、こちらの本が私の子育てのバイブルです。
子育てにおいては、本をかなり参考にしているので、おいおいご紹介していきます。
臨床心理士の方のnoteわかりやすいかったです。