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痛みが長引く要因のひとつ、中枢性感作とは何か?

痛みが長引く要因として知られるようになってきた、
中枢性感作について取り上げます。


中枢性感作とは?

ちょっと言葉が専門的で、難しそうという印象を受けるかも
知れません。
できるだけわかりやすくご説明したいと思います。

中枢性感作(Central Sensitization)とは、
脳や脊髄といった中枢神経系が過敏になり、
痛みを感じやすくなる状態のことを指します。

この現象は、痛みが長引く原因の一つであり、
普段は痛みを感じない刺激でも、
痛みを強く感じるようになります。

簡単な例で説明

例えば、火傷をしたときのことを思い出してください。
火傷をすると、その部分の皮膚が非常に敏感になり、
軽く触れただけでも痛みを感じます。

このように痛みを感じやすくなる状態が、
体の他の部分や痛みを感じる回路全体に広がってしまう、
そうした状態が、中枢性感作です。

どんな症状があるの?

中枢性感作が起こると、以下のような症状が現れます:

  1. 痛みの過敏性(Hyperalgesia):
    通常の痛みが非常に強く感じられる。

  2. アロディニア(Allodynia):
    普段は痛みを感じない刺激(例えば、軽く触れるだけ)でも
    痛みを感じる。

なぜ起こるの?

中枢性感作は、長期間の痛みやストレスが原因で起こります。
以下のメカニズムがあります:

  1. 神経が過敏になる:
    繰り返される痛みの信号によって、
    脳や脊髄の神経が痛みに対して過敏に反応するようになります。

  2. 痛みの信号が増幅される:
    普段なら痛みと感じないような弱い刺激でも、
    痛みの信号が増幅されて強い痛みを感じるようになります。

  3. 抑制が弱まる:
    通常、体は痛みを抑える仕組みを持っていますが、
    この仕組みがうまく働かなくなり、痛みを抑えられなくなります。

どんな病気に関係しているの?

中枢性感作は、以下のような慢性痛の病気に関係しています:

  1. 線維筋痛症: 全身に広がる筋肉や関節の痛み。

  2. 慢性疲労症候群: 極度の疲労と痛み。

  3. 慢性腰痛: 長期間続く腰の痛み。

どうすれば良くなるの?

中枢性感作を和らげるための方法はいくつかあります:

  1. 薬物療法:
      - 痛みを和らげるためのお薬を使います。

  2. 心理療法:

    • 認知行動療法(CBT)やストレス管理法や、マインドフルネスベースのストレス軽減法(MBSR)が、痛みの認知と反応を改善するために用いられます。

  3. 運動療法:

    • 適度な運動やストレッチが、中枢性感作を軽減するために推奨されます。これにより、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進することができます。

  4. 自律神経調整:

    • 自律神経バランスを整えるためのアプローチ(例:深呼吸、瞑想)が、痛みの感受性を低下させることがあります。

  5. 頼れる仲間との会話交流:

まとめ

中枢性感作は、脳や脊髄が過敏になり、痛みを感じやすくなる状態です。
これにより、普段なら痛みを感じない刺激でも強い痛みを感じるようになります。
適切な治療や対策を通じて、中枢性感作を管理し、痛みを軽減することが可能です。

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