慢性痛ケアお役立ち情報|心身セラピストしむひで

作業療法士 臨床心理士 公認心理師 慢性痛改善セラピスト 身体志向トラウマセラピスト

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最近の記事

「自分の主治医は自分」®

「自分の主治医は自分」®と聞いて、どう思うでしょうか? えっ、あなたは医師免許もってるの? と思う人もいるかもしれません。 ここで言う主張は、自分の健康管理は自分が主体的に行いましょう! という意味です。 自分で自己診断したり、重度の疾患でも自己治療したりする、 ということは意味していません。 とくに日本は、過度に医療に依存しすぎているのではないかと 思われます。医療費も増大していくばかりです。 昨年度は、47兆円で、過去最高を更新しました。 そういう社会の在り方に

    • 苦しみを言葉にするって何か効果はあるの?(2)

      苦しみを言葉にすることには、たくさんの効果があります。 感情の解放や、自分との対話、現実感の強化、ストレスの軽減にも つながります。 しかし、苦しみを言葉に出すことには多くの利点がありますが、 デメリットもいくつか考えられます。 以下にその主なデメリットを挙げます。 1. 感情の再体験や強化 苦しみを言葉にすることで、 その感情を再び強く感じることがあります。 特に、トラウマや深い苦痛に関することを話すと、 苦しみが増幅されることがあり、 精神的な負担が大きくなる場

      • 苦しみを言葉にするって、どんな効果があるの?

        苦しみを言葉にしたって、苦しみそのものが減るわけではないから、 そんなに意味なんてないんじゃないの? 苦しみを生みだす問題そのものが解決されないと、 どうしようもないんじゃないの? そう思うかもしれません。 苦しみを感じたときに、それを言葉にして口に出すことは、 非常に有効な対処法となることがあります。 以下の理由から、その方法が効果的だと考えられます。 1. 感情の明確化と整理 苦しみを言葉にすることで、自分が何を感じているのかを 明確に理解できるようになります

        • 怒りや悲しみと、長引く痛みとの深い関係

          怒りや悲しみなどの感情と慢性疼痛には 深い関連性があると考えられています。 この関連性は、心理学的・生理学的な視点から 説明することができます。 以下で、その視点から説明します。 1. ストレス反応と身体の関係 怒りや悲しみなどの強い感情は、 身体にストレス反応を引き起こします。 ストレス反応では、体内でコルチゾールなどの ストレスホルモンが分泌され、交感神経が活性化されます。 このようなストレス反応が持続すると、 身体が常に「戦うか逃げるか」のモードに入り、 筋肉が

          「心のクセ」の作られ方、変え方

          心のクセが作られる理由には、いろいろ考えられます。 多くの場合、必要性があって作られるのです。 そして、心のクセには、メリットとデメリットがあります。 心のクセに、メリットなんてあるの? そう思う人もいるかもしれません。 心のクセの作られ方と、メリット、デメリット、 そして、その変え方について、説明します。 心のクセの作られ方 過去の経験 繰り返される経験や状況に対する反応が、 特定のパターンとして記憶に残ります。 たとえば、幼少期に褒められる経験が少なかった人

          人間の神経系って繊細

          人間の神経系は、とても繊細です。 わずかな刺激や変化にも反応します。 個人差や耐久性の違いはあります。 でも、自律神経系を整えるためには、 エクササイズもわずかでも効果があることが多いです。 わずか、というのは、動き、速さ、回数、いずれにおいても、 少なければ少ないほど良い、という考え方です。 最小の刺激が、最大の効果を生みだします。 最初から大きな変化は狙わない方がよいです。 エクササイズのやりすぎはご注意です。 ひとつエクササイズした後の、休みが大切。 その休み

          ネガティブ思考がなかったらどうなるの?

          もしもポジティブ思考だけで、ネガティブ思考が全くない場合、 いくつかのリスクや課題が生じる可能性があります。 以下に、そうした状況で考えられる影響を説明します。 1. リスク認識の欠如 ポジティブ思考のみだと、 潜在的なリスクや問題に対する警戒心が薄れ、 楽観的すぎる判断をしてしまうことがあります。 例えば、ビジネスで新しいプロジェクトを進める際、 リスクを過小評価して計画を立ててしまうと、 予想外の問題に対応できず、 大きな損失を被ることがあるかもしれません。 2.

          ネガティブ思考がなかったらどうなるの?

          ネガティブ思考の必要性?

          こんな風に思っていませんか? ネガティブ思考は、マイナスの良くない思考で、 ポジティブ思考が、プラス思考の良い思考 ポジティブ思考をもったほうが、人生明るくなれるし、 前向きになれて、いいことづくめ ネガティブ思考なんて、気分は落ち込むし、ネクラになるし、 ドツボにはまるし、マイナスしかないんじゃない? しかし、本当にそうでしょうか? ポジティブ思考は、一般的に人生において多くの有効性がある とされていますが、 ネガティブ思考にも役割があり、一概にどちらが「良い」と

          ケネディ大統領もつらい腰痛に苦しんだって本当ですか? 家族と健康問題の深い関係

          故ジョン・F・ケネディ元アメリカ大統領(1917-1963)は、 慢性的な背中の痛みに苦しんでいました。 子どものときから病弱で、さまざまな病気をしていました。 背骨に障害があったとされ、腰痛も子どもの頃から始まり、 カリスマ的なパブリックイメージとは裏腹に、 ケネディは、生涯を通じて腰痛や健康問題と絶え間なく闘っていました。 ジョン・F・ケネディは、少なくとも背中の手術を4回も受けました。 1回目は、兵役中に負った背中の傷を直す手術です。 この手術では症状は緩和されず、

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          脳の多様性を認めるってどういうこと?

          脳の多様性を認めるっていうことは、 「発達障がい」は存在しない、と考えるってことです。 えっ、だって世の中は「発達障がい」がどんどん増えてるんじゃないですか? 発想の逆転ってことですね。 脳の多様性を認めることで、 従来までは「発達障がい」とされる特性を、個性として捉えることで、 社会が受け入れていくベースをつくっていく、という意味があると思います。 というのも、これだけ「発達障がい」という人が増えてくると、 「障がい者」だらけということになってしまう、 そこで、「発

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          ストレスと病気の深い関係

          ストレスと病気の深い関係は、近年の研究や書籍、 とくにガボール・マテの『身体が「ノー」と言うとき』や 精神神経免疫学といった学問によって 明らかになってきました。 これらの知見を基に、 ストレスがどのように病気と関連しているかを説明します。 ストレスと病気の関係 さまざまなストレスの身体への影響 さまざまなストレスが長期間にわたって持続すると、 身体に多大な影響を及ぼします。 ストレスが引き金となり、交感神経が過度に活性化すると、 アドレナリンやコルチゾールといったスト

          『身体が「ノー」と言うとき』

          『身体が「ノー」と言うとき』は、 カナダ在住の医師ガボール・マテの名著のタイトルです。 (邦訳2005/原著2003) 本来なら、「ノー」というのは、言葉でいうことですが、 それを、身体が発している、ということですね。 副題には、「抑圧された感情の代価」とつけられているように、 ストレスや感情的な抑圧が続くと、身体が拒絶反応のノーとして、 病気を発病している、という発見を記した本です。 つまり、この本の中心的な論点は、 ストレスや感情的な抑圧が、どのように身体的な病気や

          過去の体験が、いま起こることってあるの?

          過去の体験が、いま起こることがあります。 えっ、そんなバカな! 過去がいま起こるわけないでしょ! はい、過去がそのまま起こるわけではありません。 過去の体験が、急激に、いま起きているかのように、蘇る現象があります。 誰にでも起こるわけではありません。 そのことが、自分で気がつく場合と、 それが過去のこととつながっているとは、 自分ですぐに気がつかない場合の、両方があります。 どちらも急激に起きて自分が圧倒されてしまう場合、それをフラッシュバックといいます。 フラッ

          過去の体験が、いま起こることってあるの?

          「Doing(すること)モード」と「Being(あること)モード」

          DoingとBeingの違いは、以前よく聞かれていたと思います。 Doingは行動することに力点が置かれ、 Beingは存在することに力点が置かれます。 「Doing(すること)モード」と「Being(あること)モード」は、 心の働き方や日常のアプローチを説明するためによく使われる概念です。 とかく世の中は、Doingが強調されるのではないでしょうか。 行動、行動、行動! どれだけ動いたか、が問題とされる世の中です。 でも、Doingばかりやっていると、間もなくバラン

          「Doing(すること)モード」と「Being(あること)モード」

          小さな一歩を積み重ねる大切さ

          とかく世の中では、お手軽、簡単、すぐ効果、そして結果、 そういう謳(うたい)い文句があふれています。 すぐに結果の出ないことには、意味がない、 そんな風潮さえ感じられます。 爆発的な情報化社会の中で、誰もが生き残るために、 すぐ結果を求めて右往左往してしまいます。 でも、ちょっと待ってください。 リバウンド、という言葉はよく聞かれると思います。 急激にダイエットをすると、反動で食べてしまう、というやつです。 さすがに、現代ではそんなダイエットをする人はいないと思いま

          あるがままの自分を生きる

          「あるがままの自分を生きる」とは、 自分の本質や内面を無理に変えようとせず、 そのままの自分を受け入れ、 自然体で生きることを意味します。 これは、自己受容や自己肯定感を高め、 外部の期待や社会的なプレッシャーに左右されずに、 自分自身と調和した生活を送ることを指します。 「あるがまま」の意味と効果について、説明します。 「あるがまま」の意味 自己受容 自分の長所も短所も含めて、ありのままを受け入れることです。 すると、自己否定や自己批判を減らし、自分の価値を見直すこ