フライド・グリーン・トマト ファニーフラッグ
ヤマシタトモコの違国日記で出てきた本作品。気になって購入。
作中に出てきたのは映画だったが原作の小説を読んだ後で面白かったらTSUTAYAに借りに行くことにした次第だ。そして私は今すぐにでも映画を見たい。面白かった。いやーー楽しかったし面白かった。
本作の舞台は1920年代のアラバマ州。まぁ南部だわな。
タイタニックの様に老婆が昔を語りながら現実を交差する。
大きな事件が沢山起こり登場人物が右往左往する。赤っ首(白人の労働者)やKKK(白人至上主義団体)や善良な黒人、プロテスタントの分派による違い、男尊女卑にならず者。この時代に読むから楽しい。常識が違うのだ。
アメリカの問題も含め当時当たり前だった差別問題がまた面白い。
作中に出てくるヒロインのイジーが最高。破天荒ながらも問題を解決していく。勇敢で誇り高いお転婆な自由人である。
彼女の価値観は今現在を生きたらどうやって輝いたか考えたくなる。
そして金持ちが幸せだとは限らない。老化による喪失の前では人にやさしくする以外に自分が幸せを感じる方法はないのかもしれない
レズビアンの空気感がある物語的な触れ込みや感想もチラホラみる。
違国日記の中でもそう言った感じなのかと思った。。。が、
違国日記作中で『あなたが誰を好きになってもならなくてもそれは罪ではないという話』と言っていた。
うん。まさに。イジーは女として愛したのではなく動物的に生命の根源から愛を叫び苦しんだ。
愛には違いないがレズビアンの空気感がする物語♡なんて空気じゃない。
人を愛し、傷つき、成長し、戦い、笑いながら生きていくのである。
ただ素晴らしいのは、差別や生きていく苦しみが満載なのにコミカルに物語は進むのだ。そこがすごい!!
ただでさえ面白いのに、楽しいのだ。
良い本だったなぁ。
誰かに行先を言わなきゃいけない事に束縛感を感じ、ただ一人になりたいだけ。それだけの気持ちで誰にも行先を言わずに出かける。
ほんの少し自由になる。
分かるなぁ。
早くDVDレンタルしてこよ。