平成の恋よ、さようなら。
限りなく忘れたいことは、いつだって蛇口の壊れた水道のように止めどなく思い出してしまい、それは膿んだ傷口のようにいつまでも心を爛れさせる。そして、忘れたくないことほど、時間を引き延ばしたくて口をつけなかったシャンパンの泡のように、どこかに消えていってしまう。
乗り越えたはずのいつかの恋は、忘れたかったはずなのに、時々引っ張り出して愛したくなる。哀しさを引き連れて泣きたくなるのは、いつだってそこに後悔があるからで。そんな後悔をうまく昇華できないまま、平成最後まで泳いで、ひたすら