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連載小説「春夏秋冬 こまどり通信」(全10話)

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創作大賞2024応募作品。 「こまどり色鉛筆画絵画教室」を叔母から引き継いだ"ちどり"と、そこにやってくる人々の物語。 (2024年7月)
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#色鉛筆画

【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第一話(全十話)(創作大賞2024・お仕事小説…

Ⅰ.春 『こまどり色鉛筆絵画教室 どうぞおはいりください』  半円を描く空色の木製扉をゆ…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第二話(全十話)

「どうしたの⁉」  応接間に駆けていくと、目を覆いたくなるような情景が広がっていた。  凛…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第三話(全十話)

Ⅱ.夏  八月になると、カナリーヤシの樹が庭の主役になる。  十五メートルほどある樹のて…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第四話(全十話)

 私は思わず素麺をつまもうとした箸をひっこめて、麗さんの顔を見る。  二つの目から次々と…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第五話(全十話)

Ⅲ.秋 「一度辞めたつもりだったけれど、どうしても仕上げたい絵があるのです」  江永静江…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第六話(全十話)

 それから三週間、毎週木曜日に江永さんは「こまどり教室」に通っている。  レッスンがない…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第七話(全十話)

 応接間の扉を開けると、江永さんは瞑っていた目をうっすらと開いた。 「ちどりちゃん、迷惑をかけてごめんなさいね」 「全然、迷惑なんかじゃないです。こちらこそ、顔色がよくないことに気づいていたのに、無理をさせてしまって、ごめんなさい」  江永さんは首を横に振って、「あなたのせいじゃないわ」と言った。  上体起こすと、私の持つ盆を覗き込む。 「あら、その優しい香りは、もしかして葛湯かしら」 「近頃冷えてきましたし、風邪のひきはじめにいいんじゃないかと思って。もしよかったら、い

【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第八話(全十話)

Ⅳ.冬  十二月の人々の足取りは、弾んでいたり、少し急ぎ足だったり。食材や子ども達のプレ…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第九話(全十話)

 この洋館は、外からは二階建てに見えるけれど、屋根裏にあたる場所にもう一つ部屋が隠されて…

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【連載小説】「春夏秋冬 こまどり通信」第十話(最終話)

 それから、一緒にホットケーキを焼きませんか、と私は提案した。  私がこの家に来た小学一…

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