【歌舞伎鳩:番外編】特別編 幽玄(八月シネマ歌舞伎)
特別編 幽玄
能の代表編目「羽衣」「道成寺」「石橋」を題材に、坂東玉三郎と太鼓芸能集団 鼓童がコラボレーション。
能・歌舞伎といった芸能と、和太鼓の響きが作り出す、新たな次元の芸術作品。
「羽衣」
漁師が見つけた天の羽衣を持ち帰ろうとすると、落とし主の天女が返して欲しいとやってくる。漁師は、返す代わりに舞を見せて欲しいと頼む。
「道成寺」
一人の白拍子が寺にやってきて、舞を奉納する。舞ううちに白拍子の様子がみるみる変わっていき……。
「石橋」
浄土へと続く石橋に獅子の精が現れる。獅子の精は、花や蝶と戯れるように舞う。
詳しくはこちら。
坂東玉三郎と舞踊家さんたち、太鼓の演者がすべて舞台上に揃っていて、作り出していく演目。太鼓を演奏しながら、舞台の一部として動いていくのが面白い。
羽衣
人間、欲深いなあと思うなど。落とし物の落とし主が、返して欲しいと言っているので、見返りを求めず返してあげてほしい(そうすると演目が成立しませんが)。
天女の舞は、まさに天女のごとく、清廉に美しい舞でした。
道成寺
やはり舞台上が変化に富んでいて見応えがあるのはこの演目。白拍子の様子が変わり蛇体に姿を変えていく様は、見ていてぞくぞくしますね。
太鼓の方達が動きながら演奏しているのが演出の一部になっているのも、とても良い。
きっと劇場で見たら、その動きに合わせて絶妙に変化していく太鼓の聞こえ方が面白いんだろうなあ。こればかりは映画では、わかりませんね。
石橋
玉三郎さんが女形でない役をしているのを初めて見た……。獅子の気振りはきちんと力強く、先ほどまでの天女や白拍子と同じ人とは思えない。やっぱり役者さんってすごい。
太鼓という迫力のある音、どれだけ再現してもやっぱり生演奏には敵わないだろうなと思い知りました。ということで、生の舞台を見ることが、一番魅力を感じられる演目だろうなあ。
余談:鳩は昔から太鼓とか雷とか、大きい低い音がかなり怖く、大変苦手(これだけライブハウスに出入りしたりするのに)。今回映画館でこの作品を鑑賞していて、どうもピンポイントで宮太鼓の音が恐ろしいということを知りました。これ克服する方法とかってないですか……?