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【歌舞伎鳩:番外編】歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉(二月シネマ歌舞伎)

松本幸四郎さんっていい役者なんだなあ……(しみじみ)。役名も役者さんのお名前も顔も覚えられぬ宿命を持つ鳩、歌舞伎役者さんはようやくなんとなく何人か分かるようになってきました。

古き時代。北の民 蝦夷は国家統一を目論む大和朝廷に攻め込まれていた。そこに、かつて一族の神に背き追放された阿弖流為(松本幸四郎)が、運命の再会を果たした恋人 立烏帽子たてえぼし中村七之助)と共に戻り、蝦夷を率いて立ち上がる。一方、朝廷は征夷大将軍に、若くとも人望の厚い坂上田村麻呂(中村勘九郎)を据え、戦火は更に激化していく。戦いの中で、民を想うお互いの義を認め合いながらも、ついに2人が決着をつける時が迫り来ようとしていた。

歌舞伎NEXT 阿弖流為 / シネマ歌舞伎


たまたまヤマトタケルとはしごして見たんですが、もしかしてそういうスケジュールなんですかね?(時代感は違うはずだけれども、大和朝廷と蝦夷の話のつながりがある)鳩さっき新橋で帝見たよ。


こういう敵同士であろうとも、互いの信念を尊重するような人物たちの群像劇、良いですよね〜〜〜〜〜。熱い。出会うべくして出会った人物たちが、運命のままに共闘したり敵対したり。皆がそれぞれの立場で思うことがあり、守りたいことがあり、取捨選択をしなければならない。仲良くやれれば良いけれど、それだと己の守りたいものを守れないからなあ。どれだけ好ましく思っていても、己の立場という圧倒的に社会的な囲いの中では、どうにもならないこともあるのがまた因果ですね。
それでいて結局、権力側が戴いているのがウロという皮肉。生きて行くために集団は必要、同じ思想を共有できる社会の形成は必要なんだろうけど、あらゆる決断に利用される帝に実態がないというのは、あまりに遣る瀬無い。なんのために好ましい人間と敵対しなければならないのか。一体誰の意思なのか。民意を操っているのは誰? ただ人間同士、なんの思惑も挟まずに、個人間であれば、共存できるのかもしれないのにね。

また、登場人物たちが全員信念を貫いていて力強く格好良く、魅力的なのも良かった。やっぱりちゃんと、考え方が表現される人物が好みなのかもしれない。
冒頭の立烏帽子の殺陣とか舞いのようで美しく、けれど力強くてものすごく格好良かったです。

これは実際の舞台を観てみたかったな〜〜〜〜〜!!! 映画とは絶対に違う迫力があったんだろうと思った。休憩一度挟む上演時間だったけれども、物語に惹き込まれてあっという間でした。

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