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劇場屋根裏の鳩

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映画・演劇・歌舞伎など、見てきたものの感想など
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#国立劇場

そこらへんの鳩がうっかり歌舞伎見物にはまった話

もっちりデミタスさんのアドベントカレンダー(2023)寄稿です。 はじめに歌舞伎、見たことありますか。見かけたことがある方は、まあ日本人なら誰しもでしょう。白塗りの顔と赤い隈取り、あとなんか髪の毛ぶんぶん振るやつ。他には、男性が女性を演じる、というところくらいがおもな印象ですかね。不肖鳩はだいたいそんな感じのイメージでした。 もとより、いろんな事物について、ほんものを見たいと思っている鳩ではございまして、こと演劇や舞台芸術につきましては興味のあるものですから、歌舞伎もだいぶ

【文楽鳩】曽根崎心中(BUNRAKU 1st SESSION / 国立劇場)

前回、国立劇場で文楽を見た時に、曽根崎心中を好きになったので、このプロジェクトもチェックしつつ行くかどうか迷っていたのですが、思い立って行ってきました。 トレーラーの通り、通常は大道具を立てて行う公演を、アニメーション背景で行うというプロジェクトです。背景美術は、スタジオジブリの背景画を数多く描かれてきた男鹿和雄さん。 演目は「曽根崎心中」から、最後の道行の場面「天神森の段」です。 「曽根崎心中」のざっくりとしたあらすじは以下の通り。 醤油屋の手代・徳兵衛と、天満屋の遊女

【歌舞伎鳩】妹背山婦女庭訓 第二部(初代国立劇場さよなら特別公演 10月歌舞伎公演)

令和5年9月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第二部> 2023年10月4日(水)〜26日(木) 国立劇場 <第一部>の感想はこちら↓ あらすじ ざっくりとしたあらすじ: 序幕 布留の社頭の場「道行恋苧環」 杉酒屋の娘お三輪は隣家に越してきた烏帽子折求女と好い仲に。 互いに苧環を取り交わして夫婦の誓いを交わしたものの、求女の元には夜毎訪ねてくる別の女がいる。 求女は実は烏帽子折に扮した藤原淡海であり、夜毎訪れる女は朝敵蘇我入鹿の妹・橘姫であった。 七夕の夜、ついに求女が橘姫

【歌舞伎鳩】妹背山婦女庭訓 第一部(初代国立劇場さよなら特別公演 9月歌舞伎公演)

令和5年9月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第一部> 2023年9月2日(土)~26日(火) 国立劇場 第二部の感想はこちら↓ あらすじ ざっくりとしたあらすじ: 序幕 春日野小松原の場 うっかり互いに一目惚れをした大判事清澄の息子・久我之助と太宰少弐の娘・雛鳥。 腰元たちが仲を取りもち恋人となるも、実は二人は領地争いをしている家柄同士であることを知る。 二幕目 太宰館花渡しの場 帝に成り代わった蘇我入鹿が太宰家に来て、少弐の後室(未亡人)定高には雛鳥を自らに差し出すよ

【文楽鳩】曾根崎心中(初代国立劇場さよなら特別公演 8・9月文楽公演)

令和5年8・9月文楽公演 2023年8月31日(木)~9月24日(日) 第一部:通し狂言 菅原伝授手習鑑 第二部:寿式三番叟・通し狂言 菅原伝授手習鑑 第三部:曾根崎心中 あらすじ ざっくりとしたあらすじ: 大阪北新地天満屋の遊女・お初と、醤油問屋の手代・徳兵衛が心中する物語。 徳兵衛は友人・九平次に金を騙し取られた上、人前で恥をかかされる。 自らに汚点がないことを誰も信じてくれないため、もうこうなっては死んで身の潔白を晴そう、ということで、恋人のお初と曾根崎の森で心中す

【歌舞伎鳩】日本振袖始(6月歌舞伎鑑賞教室)

令和5年6月歌舞伎鑑賞教室『日本振袖始―八岐大蛇と素戔嗚尊―』 2023年6月2日(金)~24日(土) 解説 歌舞伎のみかた・日本振袖始 一幕 ─八岐大蛇と素戔嗚尊─ 国立劇場に行くと良いとの助言を受け(参照以下記事)、軽率に行ってきました。 面白そうだったので……。 初めて足を踏み入れましたが、ロビーから美しく、これが建て直されてしまうのかあ……と思いました。 最近流行りのなんでもない無機質な建物にならないことを祈る。 3階席で見ましたが、花道も歌舞伎座より見えるし、な