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沖縄へ。
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2024年12月7日(土)
毎年1度は沖縄に行きたい。
だが、そんなにお金は使いたくないし、あんまり他のスケジュールを犠牲にしたくないし・・・うーんと思って、去年日帰りで沖縄に行ってみたら意外とイイ感じに行けてしまった。
7時間ぐらいは自由時間がある。
元々、目的を1つ2つに絞ってその為だけに行くことを繰り返していたので、特別遠出しなければそのスケジュールで十分やれる。
これは・・・。
麻薬を手に入れてしまった気分だ。
という訳で、今年も日帰りにしてみた。
行きは8時25分成田発のジェットスターで、12時前に那覇に着き、帰りは19時25分那覇発のピーチで、22時前に成田に着く予定。
今回はあんまり安くなくて、諸々の手数料込みで、行きが8,520円、帰りが14,000円の計22,520円だった。
往復15,000円ぐらいだとイイんだけども・・・ってまぁ、これでも十分安いけど。
正確に数えられているか自信が無いけど、通算12回目の沖縄だ。
記念すべき10年連続みたいだ。
やったー。
連続記録がスタートしてから途絶えさせてないのは分かってるので、10年連続は正しいはず。
僕にしては珍しく、結構ゆとりを持って成田に着き、3時間は意外と長いなぁと思いながら寝たり起きたりを繰り返している内に那覇に着いた。
道すがら昼ご飯のことばかり考えていて、悩み抜いた末、空港のA&W(沖縄のハンバーガー屋さん)で食べた。
美味しい。
そういやA&Wってルートビアがおかわり自由なのか。
卑しい心が発動して、2杯飲んだら腹がはち切れんばかりに。
天気が悪く、小雨が降ったり止んだり。
半袖でもムリじゃないけど、羽織るものがあった方が良い気温だった。
首里城へ。
5年前の火災を現場で目撃して以来、首里城が復興するまで毎年お見舞いに来ると決めている。
今年は正殿に赤瓦がふかれていた。
瓦があるとだいぶと復興してきた感がある。
再来年には完成するスケジュールらしいけど、順調に進んでいるんだろうか?
復元工事が始まった当初はコロナもあって観光客も少なかったけど、今は結構な人で賑わっている。
首里城は「見せる復興」をテーマに掲げていて、工事の様子はいつも見れるようになっているし、解説も充実しているから、工事中の首里城には完成した首里城の姿とはまた違う面白さがある。
是非多くの方に見て頂きたいと思う(お前誰やねんという話ではあるが)。
沖縄に来ると、関西からの団体旅行客の多さに驚く。
特に首里城みたいな観光スポットに行くと、関西弁を喋る集団が本当に多い。
小さな女の子を連れた母親がいた。
女の子「沖縄行く!」
母親「ここ沖縄や!」
関西弁の軽妙なやり取りに、僕は第二の故郷とも言える沖縄にいながらにして、第一の故郷である大阪にまで帰った気分になる。
女の子はどこにおるつもりやったんや?
儀保駅から首里城に行く途中、何やらおばあたちがせっせとお菓子を作っているお店があったので入ってみた。
新垣カミ菓子店というお店(https://maps.app.goo.gl/y2qGLzJkK41hyuPs6)で、結構有名らしく、首里城の中のお休み処でもここのお菓子が使われていることを後から知った(と言うことは前に食べたことあったんだな)。
おばあたちが横で作っている花ぼうろとちんすこう(こっちは別の工場で作っているらしい)を買った。
ちんすこう柄のポーチがカワイかったのでそれも買ってみた。
正に沖縄のおばあって感じのおばあが対応してくれて、物腰が柔らかく優しい。ちょっとおまけにくれないかなと思っていたら、顔に書いてあったのか、最後に花ぼうろとちんすこうを一袋ずつ握らせてくれた。
卑しくてすんません・・・また来ます。
帰り道で頂いたんだけど、本当に美味しい。
今まで食べたちんすこうで一番美味しかった。
どちらも本当にシンプルな、数百年変わっていないんじゃないかというような昔ながらの素材で素朴なお味。
心にも体にもしみた。
浦添城跡へ。
ゆいレールが浦添まで延伸して以来気になりつつ行けていなかったので、足を伸ばしてみた。
浦添城のあった高台、前田高地を登っていると少し汗ばむぐらいで、半袖で十分だ。
小雨も心地良い。
前田高地にはクワズイモのような沖縄らしい植物とサンゴから出来た石灰岩の地形が広がっていて、まるでこの前見た、田中一村が描いた奄美大島の自然のようだった(https://note.com/minato_yamashita/n/n65d4156596cf?sub_rt=share_pw)。
城の跡と浦添ようどれ(琉球王国の王のお墓)、伊波普猷(沖縄研究の始祖)のお墓に興味があって来たけども、解説の看板を読んでいると、ここが沖縄戦の最激戦地の一つであったことを知った。
北側の壁がアメリカ軍からハクソー・リッジと呼ばれて、南進するアメリカ軍と、それを阻止しようと高地の上から攻撃する日本軍との間で激戦が交わされたらしい。
全く知らなかった。
前田高地には住民が戦火から身を守るために潜伏した洞窟、ガマも複数あった。
今雨粒が打つこの地面にはかつて血が染み込み、今もこの足下に何人もの骨が残ったままなんだろう。
沖縄はどこもそうなんだけども、前田高地の激戦の歴史を知ると、殊更沖縄戦への意識が強くなり、そんなことを繰り返し想像した。
ここに生きて立っていることが不思議に思えてくる。
自分は一体なんなんだろう。
ハクソー・リッジはメル・ギブソン監督で同名の映画にもなっているそうだ。
見てみよう。
時間が押していたけど、沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)で「『〇(マル)でも×(バツ)でもないもの!』~「ARTと私」正解のない「教育普及」展~」(https://okimu.jp/exhibition/artandme202411/)という気になる展示がやっていたので見に行った。
アートを分かりやすく伝えようという、教育普及活動を主にした展示はしばしばあるけど(特に夏休みとか子ども向けのが)、タイトルに教育普及という単語(それ自体が美術館の専門用語な訳で)を使って、教育普及そのものをテーマにした展示は初めて見たので気になった。
必要最低限で分かりやすい解説に導かれながら自由にゆったりと作品を鑑賞して、最後は見て感じたことを言葉にしたり、作家に手紙を書いたり、作品を作ったりという「伝える」行為を自分でもやってみて終える、という素晴らしい展示だった。
こうして歩み寄ってくれる展示がもっと増えると良いなと思う。
急いで那覇空港へ。
最後は空港内にあるヘリオス酒造のクラフトビール屋(https://www.naha-airport.co.jp/news/11734/)に行くと決めていた。
なんと、空港でビールを作っているらしい。
2022年からあったとは・・・知らなかった。
美味しく、しかもお手頃な価格のビールをグビグビ頂く。
幸福だ。
飛行機の時間が迫ってきたので、飲みたい銘柄を複数急いで飲んだらすっかり酔っ払ってしまった。
この前の新千歳空港もそうだったけど、こうして最後に空港で地元のお酒が飲めるの最高過ぎるなぁ。
たまらん。
機内へ。
酔っている。
搭乗前に買ったサーターアンダギーを機内で食べて気絶したように眠った。
こんなに幸せなことがあって良いのか。
気付いたらもう成田への着陸間近。
ワープした気分だ。
飛行機を降り、急いでバスに乗り込み、慌ただしい東京の街へとまた紛れ込み、自宅へ。
全てが日常に戻る。
全てが幻だったかのように。
そしてまた、それが幻じゃなかったことを確かめに沖縄へ行く。
首里城の赤瓦、沖縄戦の傷、おばあのお菓子・・・。
そしてその中に新たな出会いがあって、また沖縄を好きになる。
また、来年。