私の本棚①「海の見える理髪店」
なかなか新しい本を読む時間がなく、全然読書垢らしいツイートしてないなぁと焦っている水瀬です。
TLに流れてくる皆様の読了ツイート、楽しく拝見させて頂いております。
そこでこの「私の本棚」シリーズでは、私が過去に読んだ大好きな小説について語りたいと思います。やってみたかったんですよね、本について自由に書けるブログを。
タイトルにもある通り、今回は荻原浩さんの「海の見える理髪店」です。中でも、1番好きな「空は今日もスカイ」についてお話します。多少のネタバレを含みますので、未読の方はここから先はご注意ください。
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「海の見える理髪店」には、6つの短編が収録されています。全話読み切りなのでとっつきやすく、どれも素敵な物語です。
「空は今日もスカイ」は、4番目の物語です。
家出した少女茜と虐待されている少年フォレストが一緒に海を見に行く話なのですが、この話が好きな理由は、そのラストにあります。
ラストで描かれているのは、小さな子どもの無力さです。大人に届くことのない、子どもたちの叫び。恐怖。思い。辛くて生々しく、それでいて達観しています。
はっきり言ってこの1編は、他の5つの物語と比べて異質です。年を重ねた大人が、過去を断ち切り、未来に向かって歩き出す。5編に共通している構成をすっとばした、子どもが主人公のお話。救いだってないように見えます。
でも。このお話は、希望に繋がっていると私は解釈しました。
話の中で希望にたどり着くことはできなかったけど、きっと近い将来、2人はまた出会えると信じています。自分の力ではどうにもならない血縁の呪いを引きちぎり、未来に向かって歩き出すことができると。
その証として、茜の手には「フクシ」の連絡先があるのですから。
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いかがでしたか?
拙い文章ではありましたが、今回は「海の見える理髪店」のうちの1つ「空は今日もスカイ」について考えたことを書いてみました。
もし興味を持っていただけたら、ぜひ書店で手に取ってみてください。他の5つの物語も素敵なお話です。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
水瀬
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