まさか40代で非定型うつ病を患うなんて15
1.奔走
2024年4月末、退職勧奨を受け今後どのように進めるか就労定着支援の担当者S氏と打ち合わせた。前回の会社との3者面談で少しは時間が稼げることになり、その間にやるべきことをまとめた。
発達障害の検査ができる機関を探し検査する
障害年金の申請
転職先探し
体調の回復
という4点だろう。
まずは発達障害の検査ができる機関についてだが、S氏が社労士経由にて病院を探してみることを提案いただいた。現状の医師では検査ができないためである。また、障害年金自体にも問題があり、また私の不信感も相当なものがある医師からは離れることも考慮に入れてだ。この件に関しては2024年の5月連休明けまでにS氏が探してくれることとなった。
そして私がこの時に一番やらなくてはいけないのは転職活動だ。これはO上司に言われただけではなく、自分の体調もそれほど良くないことはわかっていたため、障がい者雇用を探した方が良いのではないかと考え始めていた。そしてその道を切り開くべく、4月末から障がい者雇用の求人サイトというサイトに登録をしていき、ハローワークにも再支援を依頼。そして、エージェントも活用するために数社登録した。
さらにやるべきことは体調の回復だ。O上司に退職勧奨を迫られて以降、さらに体調が悪化。また、この後も出社しなくてはならず、その辛さに耐えながら仕事に打ち込まねばならない。その状況で転職活動をするのだ。実質休みはないだろう。悪化している自分にムチを入れるしかなかった。
この時点で病院、会社から挟み撃ちに会い、私の頼れる存在は就労定着支援のS氏のみとなった。すがる思いでS氏を頼ったし、ものすごい焦りも感じていた。何より・・・
食えなくなる
という現実が見えるのだ。
ここはどんな状態でも自分が前に進まなければ切り開けない。どんなことをしようが、必ず障害年金の申請までたどり着き、次の職場を障がい者雇用で決める。そのように腹をくくるしかなかった。
2.少しずつできた光明と影
2024年5月初旬、S氏から一本の連絡が入る。協力してくれそうな社労士を見つけたので会いに行こうとの事だった。早速、半休を取り次週には予約を入れ、S氏と会いに行った。そこで話された内容は、まぁ驚きもしなかったが、やっぱりということだった。何かというと社労士が言ったことはこのようなことだ。
「あ~、あのS心療内科のK医師ですが…その病院の名前聞いた時点でそこじゃ無理だとわかりました。障害年金の初診日を取るだけでも苦労すると思います。実際泣き寝入りしている方を何人も見てきました。また、社労士はあそこ一切受け付けないんですよ。というか、この駅周辺の医師はどこもそうです。その中でもK医師が一番診断書出しませんね。」
心の中でやっぱりかと心底K医師を軽蔑しつつ、恨んだ。そして解決策は何とか初診日をとれる書類を記載してもらって、転院しかないと社労士は言った。そうなると、新しい病院では最初から診断のやり直しに近いので、3か月ぐらいは通ってもらって、そこから診断書の発行になるとの事。そして、新しい医師は紹介してもらえるのか?ということも承諾してくれ、その医師が発達障害の検査ができることもわかった。もうこの時点で時間がない事、また、頼れる手段がほかにない事からこの社労士に決めてしまった。
ちなみに社労士への報酬は障害年金2か月分+2万円だ。遡れればそれぐらいなら大したことはないと私は思った。ただ、障害年金をどこまで遡れるかはわからない趣旨の説明は受けた。
ただここで気になるのは、S心療内科のK医師が診断書を書くかどうかである。一度は許可させた方法で再度迫るしかないなと思った私は、1時間ほどのバトル(話し合い)を覚悟して次の診察に挑むことに決めた。
そして2024年5月中旬、K医師の診察でバトルのゴングが鳴った。相変わらず、書かない節を連発。通らない、やめとけと。まぁ、前回の節があったので”迷惑をかけないのでチャレンジさせてくれ”だけでもう臨んだ。それ以上考えるのもバカバカしかったからだ。こっちとしては”さっさと初診日書け、それ以上をあなたに期待してない。”と思うところもあった。
ちなみに障害年金では診断書の初診日が大変重要になる。これがないとまず通らないのだ。なのでここだけは譲れなかった。”それ以外がちゃらんぽらんでもいい。それは次の医師に書いてもらう。”と心に言い聞かせつつ、説得を続け、なんとか次回の診察で診断書の発行をもらえることに。
勝った、勝ち取った。
なんとか診断書を勝ち取ったのだ。そして2週後にあっさりと渡してもらった私。診断書の値段は2万円と高額だが、後で元が取れると思えばいい。もらったときにK医師が一点、念を押したように言った言葉…
「このまま年金事務所にだしてください。」
封筒に糊付けまでご丁寧にされてあった。要は空けるなってこと?と思ったのだが、診断書は請求した本人が見ては行けないなんてことはない。むしろ、中身を確認すべきだと思った。そして中身を見ていると案の定、適当に書かれている。まぁ、そこは期待してなかったので良しとしよう。ただ一点、大変なところが抜けていた。
そう、初診日である。
これ抜けてたらそもそも通らないのは医師としてわかっているはずである。それを抜いてくるなんてわざとか?と思えたほどだ。まったくもって酷い医師である。これで通らない人も続出していたのではないか?と思えるほどに。ここまで信用を落としてくるとは流石だなぁと思いつつ、あきれ返った私だった。この初診日の件、電話してみると書くとの事だったので事なきを得たが、ミスをしたのに謝りもしない。まぁ、私にはもうこれで縁が切れる。もうこの医師なんて知ったこっちゃない。次の病院は予約済みで、病院と年金に関しては明るい未来が見えてきた。これを取得できたのは2024年5月24日の事である。
3.一番の難関、障がい者雇用転職活動
さて、この時点で並行して進めていったのが障がい者雇用への転職活動である。大手転職サイトからCMでよく流れている転職のまとめサイト、障がい者雇用の転職サイトなどとにかく登録しまくった。エージェントも含めてである。
そして私の希望は今までやってきた社内SE、もしくはPCに携わる仕事、それよりも数段給与が落ちてしまうが一般事務まで枠を広げて探した。なぜかというとそもそも、一般事務より給与の高いものが少なく、また体力的な仕事が体調面から無理なためだ。
しかし、2024年5月転職サイトを覗いても中々見つからない。どの転職サイトで見ても障がい者雇用の求人を見ていると、同じような会社ばかり出るのだ。まったく企業に動きがない。当然応募するものの、返信なし、もしくはお祈りメールしか返ってこない。これはいつも載せてる釣りサイトなのだろうとも感じた。ということは今は企業が募集を出していないのでは?と思い、支援者のS氏に尋ねてみると案の定、6月にならないとあまり出ないとの事だった。各社の人事が新卒対応終わった後の採用を決めるのが5月、6月から本格的動き出すとの情報を得た。
かといってこのまま指をくわえて待つ時間はないのである。ここで私は藁をもつかむ気持ちでハローワークにも登録し検索した。しかし、案件は少ない。一般事務と清掃、営業ぐらいしか見つからない。しかも営業に至っては年齢制限で難しい。
障がい者雇用とはなんと狭き門か…
そのことを痛感した。健常者の仕事はいくらでもあるのだ。そこに応募すれば面接までそれなりに通ったが、やはり体力的に難しいと判断した会社も複数あった。しかし、2024年5月末、この時点で障がい者雇用の書類選考通過率は0%である。ほんとに通らないのだ。ハローワーク紹介案件でもなかなか通らない。これはどうしたものかと困ったが、6月になれば案件も出てくると言われていただのでそこに賭けるしかなった。