サウイフモノニワタシハナリタイ
僕がやりたい事
僕が、今の時点でやりたい事をソーシャルワークの先輩方に説明するなら、たぶん社会資源開発というものだと思います。社会資源開発のうちのネットワーキング部分といった方が正確でしょうか。
地域おこしといったことに関わられている方には、地域をつなぐ、連携を促進する、ハブ機能を担うという言い方のほうがピンと来るかもしれません。
対人援助から、ソーシャルワークへ
くしくも、今の日本のソーシャルワーク業界(?)では、対人援助の仕事に偏っていると、批判というか反省の声が上がっています。
むしろ、外部からの批判であれば良いのですが、ほとんどの組織でワーカーにあたえられている役どころは「対人援助職」です。言ってしまえば、福祉サービスの外につながりを作ったり、問題を社会につなげる、行政などへ提言する働きは、求められてすらいないのが現状です。
「こんなはずじゃなかった」と独立する方もいますが、それらの活動に支払われる資金の流れも、ほとんど今はありません。
複数の組織に足場を置く(“ワーカーシステムの分散化する“(横山,2020))ことや、オンライン等でワーカー同士が繋がることで、関わった人たちの声を社会に新たな制度につなげようとする試みが行われています。
一方、僕は
ただ一方で、僕がネットワーキングに取り組みたいのは、そんな流れがあるからというのとは少し違うような気がします。
僕は今のところ組織に雇用してもらう宛がありません。それは肩書きがないことと、“福祉サービスを配給する“立場にないことを意味します。有り体にいうと、相談を受けても今の時点で、提案できるサービスがないのです。知識として福祉制度の紹介ぐらいはできますが、そんなものはネットで調べれれば充分です。
制度や組織の外に出たとき、ソーシャルワーカーは、自身に地域とのつながりがなければ、役に立つことすらできない。ネットワーキングに取り組む理由の一つは、僕はまだその地点にいるからなのです。
ネットワーク作りに強みがあるわけでもありません。
地域おこしなどの分野では、自治体から委託を受けたNPO等が地域の人たちの連携促進を担っています。そう言った団体の持つ社会的信用があるわけではない。(虎の威を借ることはできますが)。
活動の場にお邪魔して、少しでも手伝えることがあれば関わらせてもらい、コツコツと信用を得るしかない。もちろん、組織の社会的信用があったとしても、人と人としての信用はそうやって作っていくしかないのですが。
結局は、人の持つ「物語」が面白い
強みがなくても、ネットワーキングに取り組みたい、もう一つの理由。それは、その取り組みが面白い事を知っているからです。地域で何かに取り組んでいる人、単に生活を営んでいる人。そういう人たちの取り組みや生活の中に、面白さがあることを知っています。
そして、その面白さは、子ども達が持つ物語を引き出してくれる。何か困難にめんしている子どもにとっても、それは支えになると信じています。困難にめんしている子どもが自分の物語を見つけるとき、社会を変える可能性だってあると思っています。
提供できるサービスもなく、何かしら強みがあるわけでもない。
信用を得るのにも、コツコツやるしかない。役立てる能力や方法論もありません。これまでの経験で学んだのは、真摯に取り組むべしということだけ。
時間もかかると思います。
でも、まずは伝手をたぐって、地域の人や子どもらと会って、あわよくばボランティアなどに参加させてもらい、信用が得られるならそれをつなげて行きたい。
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニワタシハナリタイ
(参考)
・高良麻子(2010)「独立型社会福祉士の独自性と課題 : 独立型および既存組 織所属社会福祉士に対する調査結果から」東京学芸大学紀要
・小川幸裕(2013)「独立型社会福祉士の事業形態にみる実態と課題」弘前学院大学社会福祉学部研究紀要
・横山北斗(Social Change Agency)(2020)「コロナ禍でソーシャルワーカーができることを考える」https://note.com/wish0517/n/na76d6ec039c7