田舎は何もない? 「あれがないのか」に気づけた。 そして動く。
田舎は本当に何もない?
私は故郷、静岡県伊豆半島最南端のまち南伊豆町(みなみいずちょう)に28歳でUターンして11年。現在は3世代6人で暮らしています。
さて、私が暮らす南伊豆町の人口はこの11年で約1500人減少してます。
1年間で生まれる子供は約30人。30年後には人口が5000人になる予測です。
人口減少少子高齢化、若者流出、地方の衰退。
このような言葉が全国各地で言われている中、ここ南伊豆町でも時代の流れとともに、これからより深刻化していくと予想されています。
この町で暮らす私の日常は過去記事でも少しご紹介させていただきました。
これらの記事にも書いた通り、都会暮らしに代表とされるような華やかな生活環境はありません。
一方で、地域にある「豊かな自然、そこで育まれる地域資源」や「人との繋がり」の中で、ここでの暮らしだからこその楽しみや贅沢な時間も過ごしています。
都会にあこがれる地方の若者の気持ち
私自身がそうでしたが、一度地元を離れて外の地域に憧れを感じることも当然だと思います。そして、それらの憧れをもつ特に地域の若者が地元を離れること自体は、必然でありこれからも当たり前に続くと思います。
便利で何でもある都会暮らしは、そこに暮らす人々にとっての豊かさ、楽しさ、喜びも与えてくれます。それらは人々が暮らす上で、多くの「選択肢」の中から自分の「好きなものを選べる」という、都会で暮らす一つの魅力であり刺激的な日常を演出してくれるものだと思います。
「あれがないのか」に気づけたから。
改めて感じる「都会」と「田舎」の環境の違い。そこには暮らしていく中での「選択肢」に差があるのだと気づきました。そしてその選択肢が多い都会に憧れを持つ地方の若者が、その場所を目指していくのはやはり必然です。
その一方で新型コロナウイルスの影響もあり、都会から地方に魅力を感じる人々も増えてきており、それらは「関係人口」と言われ、多拠点居住で様々な場所で「暮らしながら働く」という選択肢が生まれ始めています。さらには関係人口と地域の人々がコラボレーションする中で「新しい地域の魅力」が誕生する事例が各地で起きています。
そしてそれはここ南伊豆町でも少しずつ動きだしています。
これらの事例から紐解いていく田舎にないもの。それはやはり生きてく上での「選択肢」だと思います。そのような選択肢がないことでその場所や暮らしに魅力が感じられない。自分自身がやりたいことやチャレンジできる環境が都会には多くあるという印象になるのだと思います。
一方で、地方だからこそチャレンジできる環境もあると思います。人が少ないからできないやらないではなく、自分自身や周りの人達との繋がりをもって新しいことにチャレンジすることで、また新しい地域の価値や魅力をつくることができるかもしれません。それに気づいた人達は全国に、そしてここ南伊豆にも存在しています。
南伊豆町緊急時における地域助け合いネットワーク『MINANET−ミナネット−』
私自身もこれからここ南伊豆町で暮らしていく中で、自分自身がチャレンジできるフィールドを見つけました。それはBLUELaIZU株式会社が立ち上げた地方創生プロジェクト『MINANET−ミナネット−』です。
『MINANET−ミナネット−』とは?
南伊豆町緊急時における地域助け合いネットワーク『MINANET−ミナネット−』とは、台風や大雨などの天災、不漁・不作による被害、ウィルスなどによる活動の自粛、地域活性化イベントなど様々な緊急を要する事態に、国や自治体の支援制度とは別に、直接事業主様の一助となる財源を生み出すことで助け合う地域ネットワークです。 入会金や年間費が一切かからず、事前にミナネットにご参加いただくことにより、主旨説明や打ち合わせの時間を極力省き、緊急時に敏速に対応できるようにミナネットが中心となり発信いたします。 ミナネットは「緊急時における地域助け合いネットワーク」となります。緊急時以外では大きな活動をすることはありませんが、南伊豆町や地域企業・地元生産者が危機に立たされた時に力を発揮いたします。
(BLUELaIZU株式会社HPより引用)
このプロジェクトでは4つのステップがあります。
STEP1 繋がる・・賛同パートナー会員様(以下、ミナネット会員)と連携したネットワークの構築します。
STEP2 集める・・BLUELaIZUのオリジナル商品開発やイベント用にミナネット会員から魅力ある商品やアイデアを集めます。そして商品やサービス、PRカードなどにすることで南伊豆の新しい商品(企画)を形にします。
STEP3 発信する・・新しい商品(企画)を、自社サイト、ふるさと納税サイト、クラウドファンディング、ホームページやSNSサイトなどを活用したプロモーション活動をします。
STEP4 分配する・・ECサイト等での売上金は自社及びミナネット会員に分配します。また、イベント等での連携によってミナネット会員(直販の場合)の売り上げにも繋がります。
このMINANET構想を聞いたときに地域に住む一人としてとてもワクワクしました。私自身、実際に地域外から訪れるクリエイティブ人材と地域内での魅力ある人々を知れる一方、相互がより連携しやすい環境を整備することで、地域に新しい価値の創造を実現できると考えていたからです。これから動き出すMINANETプロジェクトにプレーヤーとして関わることで、この地域がより魅力的な場所になっていくことを一緒に目指していきたいと思います。