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「推し語り」の本を読んだら、とりあえずこの本を推したくなった

おススメしたいアニメを見てほしくて、友人に語っても、好きな気持ちがふがふがしてしまって、結局言いたいことの10分の1も伝わらないのがわたしの日常だった。もどかしいのに言葉が出てこない、なぜ。どうしたら伝わるのか?ああーーーー見てほしいだけなのに、推しを語るって客観視できないから難しいんだ。みんなそうだよな。うん。

なーーんて、思いながらも特に深堀はせず放置していた問題。
それをすっぱりと解決してくれる本があるとは知らなかった。

『「好き」を言語化する技術』 著:三宅香帆




とにかく読み終えて、とりあえずこの本の書評を書きたいと思ったので、この本の目的は達成しているといえる。だって、こんなに技術を教えてもらったら「自分でもできる」って思ってしまうんだもの。

「自分でもできる」ってくらいには、平易な言葉しかなくて、超実践的だった。マインドの話と技術の話のバランスがよくて、具体的な例がめちゃくちゃあって、読めば読むほど、なんだかできる気がするぞという気持ちががぜん湧いてくる。

とにかく伝える技術が満載すぎる!!!
推し語りしたい人の本だけど、誰かに何かを伝えたい人全員に読んでほしい。
それくらい『伝える』ために必要な技術がずっしり、余すことなく、これでもか?という詰まっていた。「ステップ1,2,3でここがゴールだよ」ってちゃんと手つないで歩いてくれる文章で、迷子になったりしない。次の瞬間自分の手を動かせるレベルまでわかりやすくしてくれている。

いや、わかりやすいってなんだろうと思うと、本の中にも出てくるけど、読者との距離感の詰め方が異様にうまいんだ。この情報を渡せばここまで進める、という導線が完璧。だからスッと入ってくるのねこの文章は!!!『伝える技術』すごいぜ。

特にすごいなと思ったのが、最後の章。ぺらぺらめくった時に、引用の文章が長そうで「うへぇ」って、苦手意識が先行していた。・・・んだけど、まじですっらすら読めたの。これって、引用の文章を読むために必要最低限の必要十分過不足なしの情報を渡してくれているからなのよね。それに気づけたのはこの本を読んだからなんだけど。

この本自体が、『推し語り』語りで、推し語りの一種だから、この本の技術がそのまま体現されているの!!それに気づくとまた読み返したくなる。
まずは技術を知る、知ったうえで『推し語り』語りの本として読み物として技術を味わう。二度おいしい本だ。あ、これはあの技術使ってるのね~と、さも知った顔で読めるのも楽しみ方のひとつなのかもしれない。

読書が久しぶりのわたしでも、4時間くらいでずばーーーっと読めたので、かなり読みやすいこと折り紙付きです。冒頭のわたしみたいな悩みを持っている人はぜひ読んでみてほしいし、「伝える」のがへたっぴな人にも読んでみてほしいし、なんかおもしろい本読んでみたい人にも読んでほしい。

全方向外交しているけど、それくらい「やばい」本だったぜ。



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みなもとなこ | 休職から転職したアラサー
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