まさこがうさぎになった話①
夫よっちゃんと結婚する直前の10年前に里子で我が家に来たうさぎ、みなもが先月、月に還りました。
そのときの話です。
みなもの体に異変を見つけた日から、私は眠らなくなりました。
夜は横になっても眠くならず、うとうとしてはすぐ起きて、みなもの様子をみたり、ごはんを足したり。
そのまま朝になっても、特別眠くならず、普通に生活していました。
それが一週間くらい続いて、さすがに私は自分でどうにかしないと…と、自分で自分を見てみると、自分がうさぎになっているイメージが見えました。
うさぎの私は、みなものお世話をしていました。
夜行性だもの。
夜眠るわけない。
そこで私は私をイメージの中で人間に戻してみました。
それでも私は眠りませんでした。
眠くありませんでした。
心優しいお友達の皆さんが不眠によく効くアドバイスをたくさん届けてくださいましたが、それでも眠りませんでした。
いつもお世話になっているお坊さんとLINEをしていたときに、お坊さんが
「まさこさん、うさぎになっているみたいに見えますが大丈夫ですか?」
と言いました。
違う人が見ても私はうさぎに見えるんだと、妙に感動しました。
お坊さんが私を人間に戻しましょうと言ってくださいました。
私は眠らずに疲労していたため、ちゃんと自分を人間に戻せなかったようです。
お坊さんとのやりとりのあと、気を失うんじゃないかと思うほど強烈な眠気に教われて、3時間くらい眠りました。
でもまた起きました。
その後も私はほとんど眠らず、食欲も落ちてきました。
食べよう!と思うのですが、食べられません。
手順の必要なお料理や家事ができなくなりました。あるときお風呂の排水口の掃除をして、ごみ取り用のネットを付けようとして、ネットの付け方がわからなくなりました。
これはまたやってしまったと。
過去に記憶を失ったときは、いつもこんな感じでした。
よっちゃんに強く勧められ病院に行きました。
病院へ行くときもお財布も保険証も忘れ、よっちゃんが車で届けてくれました。
病院で、
過去にオーバーワークで記憶をなくしたことが三回あること。
みなもの看病で20日間くらいほとんど眠っていないこと、排水口のごみ取りネットの付け方がわからなくなったことを話すと先生が
「今来てくれてよかった!」
と言いました。
(つづく)
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