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「stray」ネコが段ボール箱に入るのは、メタルギアオマージュ×猫あるあるの最強演出!

プレイステーション4で、猫のゲームことstrayを遊びました。
品がある!美学を感じるゲーム!

人類が滅亡した未来で、ロボットたちが生活する街を、猫が歩く。
ロボットは絵を描いたり、テレビを見たり、何百年も前の人類が廃棄した道具に囲まれて、それなりに楽しそうな生活をしている。
最近の映画によくある、自我に目覚めた危険なAIというよりは、昔のまんがのロボットを思わせる。

セリフのないシーンでも、圧倒的な背景の情報量!

ここなど、写真をとって飾る行為を人間からまねるようになって何世代もたっているようだけど、それは背景から想像できるだけで、完全にスルーしてもいい。最短2時間以内でのクリアにも挑戦できる。

実際にリアルに対局してマー観したかった

たぶん人間の相手をするために覚えた麻雀を永遠にしているロボットとか、楽しさと、ゾワッとする怖さが共存する。

クーロン城跡地みたいな街をぐねぐねと歩いて、遊んでる時間の大部分は道に迷ってたけど、この街で迷いながら「住人」になってほしいから、わざと地図もないし、わざと迷わせる構造にしてるんだろう。

こういう姿のミュージシャンいた。

RPGの村人の会話は、ずっと同じことを繰り返していたし、同じことを話してきた。
プレイヤーは、人間味のあるセリフを名言だとほめる一方で、同じ言葉を繰り返す点については「ゲームだから」と納得するしかなかった。

でもAIと猫の関係なら、それが自然になる。永遠に同じ行動を繰り返すロボットたちに哀しみを抱く。
ただ猫が好きだから作られたゲームじゃなくて、ゲームとして「美しい」構造になっている。

環境問題も絡んでるけど、犬や人ならもっと説教臭くなる。
猫の気まぐれで困っているロボを助けても、それをどこまで本人(本猫)が理解しているかもわからない。どうとでも受け取れるところが美しいというか、品があるというか。

映画とも本とも違う、ゲームにしかできないものを見た満足感がある。

警備ロボットがいない隙に建物に侵入するステルス要素だけは、難しすぎかもしれん。

難しすぎといっても本格的な戦闘ゲームに比べたら全然なんだけど、ステルス要素だけが、ゲームを全くやらない人に「大丈夫!」ってお墨付きで遊んでもらえる易しさではない。

見張りのロボットは、網で捕まえるとかでもいいのに遠慮なく撃ってくる。難しさより、猫が倒れるのを何度も見るのがつらい人もいそう。
「なんだ猫か」
って反応して見逃してくれてもいいのに。昔の映画のオマージュっぽくって。

オマージュといえば、敵に見つかっても段ボール箱に飛び込んだら助かるのは、10000点の価値ある演出だ。

段ボール箱に入ったら敵が見逃すのは、敵から隠れて潜入するステルスゲームの開祖「メタルギア」にそういう演出があるから。

昔からのマニアはこれを全人類が知る常識と勘違いしてしまうけど、メタルギアは任天堂ハードで活発じゃなかったから、もうゲーム好きでも知らない人が多い。

猫がステルスミッションで段ボールに隠れるのは、メタルギアオマージュ+amazon時代以降の猫あるある「箱に入っちゃう」を両方やってる、すごい演出だ。

昔の猫あるあるは「ネズミを捕る」だけど、部屋にアマゾンの箱が増えてペット動画をUPする遊びが始まってから、猫は意味のないことをする可愛さでペット人気1位の座についた。それまで猫は「犬より頭が悪くて恩知らず」だった。

しかも箱に隠れたのをAIが見逃すことで、融通のきかないロボットの表現にもなってて、何重にも最高なわけだ。これをやりたい為にステルス要素を入れたんじゃないかと思っている。
箱が上向きで、ボタンを押さずにズサーっと飛び込めないのだけが欠点だ。

strayはPSplusという月1000円ほどの会員に登録していれば発売日から無料で遊べる。
他機種でも遊べるが、PS5ならコントローラからニャオニャオ鳴き声がして爪とぎの感触がリアルに伝わる(ついでにいろいろ快適。)XBOXゲームパスのサービスに対抗しての無料配信だけど、やっとPS5が転売以外のポジティブな話題をつくれた。
猫は思わぬところで人を助けてくれる。


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南ミツヒロ
読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。