中学校理科の学習内容変更について考える
今年度から学習指導要領の改定が施行され
中学校の教科書の内容が変わったようですね。
私も中学校で理科を教えていましたので
今回は理科の内容変更について気になったところを考察していきます。
変更点①動植物の分類が1年で
もともと1年生の生物分野は
・植物のつくりとそのはたらき
・植物の分類
でしたが、前者が2年生の内容になりました。
これに関して私は疑問を感じます。
なぜならこの植物分野の内容は
中学校理科最初の内容として非常に取り扱いやすいからです。
・簡単な実験が多く、実験器具に慣れるのに都合が良い
・対照実験など、条件を揃える必要性が理解しやすい
・「植物」というカテゴリーで前者と後者を関連づけやすい
など、中学最初にこの内容を取り扱うのはメリットだらけです。
「維管束」の概念も知らずにどう被子植物を分類するの?
被子植物を裸子植物を分類するなら植物の内容の履修後がコスパ良くない?
動植物の分類を一緒に行ったらその境界が曖昧になりそう
といった懸念があります。
変更点②植物のつくりが2年に
植物のつくりを2年生にすると、もちろんメリットもあります。
1年生で履修した植物の分類について復習できる(動物も同様)
程度ですかねww
ならば
植物・動物のカテゴリーをそれぞれ分けた方が理解しやすい
と思うのですがね・・・
動物も今は解剖について批判だらけだそうで
イカの解剖しかできないんですよねww
「動物がかわいそう」とかいうんですかね
動物の解剖についてはここではこれ以上触れないでおきます。
変更点③圧力の計算が3年に
「計算する内容が多いと1年生には大変」といった計らいなのですかね
力がはたらくことによって
・物体を変形させる
・物体の運動の向きを変える
・物体を支える といった基本を学ぶのが1年生の内容なはずです。
ばねがかかる力に比例して伸びる(変形する)フックの法則を取り扱うなら
圧力も同様に取り扱って欲しいものです。
そういった内容が
3年生での物体の運動に大きく関わってきます。
そして気象関連を専攻していた身として
圧力の概念がないのに大気圧をどう教えるのかが気になります。
気象分野は2年生で扱いますが、圧力に触れずに大気圧をどう扱うのでしょうか?
(その他)環境問題に関して、理科は科学的観点を!
環境問題は科学の問題ではなく政治問題です。
特に最近は環境問題やらSDGsをやたらと教育分野で取り扱う流れが強いです。
その際
「環境問題は重要な問題だから最優先しなければ」という一点張りでなく
本当に環境問題は最優先課題なのか
という観点を与える必要があります。
特に日本は「空気」で物事を判断する傾向の強い地域です。
過去に空気で間違った方向に進んだ国家でもあります。
その空気を醸成しないためにも教育において
多角的な視点から考える習慣が重要です。
特に中学校教師陣は脳筋が多いので
理科くらいは科学的な観点から考えさせてあげたい!
理性的に物事を判断するのはもはや理科だけといっても過言ではありません
まとめ
令和3年度から中学校の学習内容に変化がある。
理科を見るとその変更に疑問を感じる
せめて3年間の流れで二度手間にならない順序でお組み立ててほしい
環境問題は理科だけでも科学的な観点から考えてほしい
今回は中学校理科について思うところを書かせていただきました。
「サスティナブル」「地球にやさしい」
という言葉をよく使う人には気をつけてください
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