アーユルヴェーダの万能オイル・ギーを1年ぶりに作って気づいたこと
※2022年11月の記事をnoteに引っ越しました。
さて、今回のブログの主役は“ギー”です。
約5,000年の歴史をもつといわれ
ヨガとも深い関わりのあるインドの伝統医学
アーユルヴェーダで重宝されるオイルのこと。
無塩バターをじっくり火にかけて
不純物を取り除いたとってもピュアな油で
食用はもちろん、傷やニキビの薬、
保湿用のオイルとしても使われます。
オージャスと呼ばれる活力
(心や体すべての元気の源のようなもの)を増やし
反対に毒素や疲労感、錯乱など
心身の健康を妨げるものを減らす働きがある
まさに「万能なオイル」といわれています。
200gの無塩バターから
だいたい150ccくらいかな(?)のギーができるのですが
バターは高級品ですし、
私は気が向いた時
(特に不調が出やすい秋冬)に作って
普段の食事に使う油に代用しています。
1年ぶり、3回目のギー作り
詳しいギーの作り方はまたどこかで。
このブログでは
約1年ぶりのギー作りで気づいたことを
書いてみたいと思います。
ギー作りは今回が3回目。
初めて作ったのは沖縄でのヨガの勉強会で
先生に材料も手順も教わりメモを取りながら。
瓶詰めされた、初めての自分のギーが嬉しくて
あっという間に使い切ってしまったので、
まだ記憶が新鮮なうちに…と
勉強会の2ヶ月後に自宅で一人で作ったのが2回目。
そしてその1年後、今回が3回目でした。
(自分一人で作ったのはまだ2回目!)
くつくつ、パチパチと音を立てながら
様子が変わっていく鍋の中。
キッチン中に広がるバターのいいにおいに
モヤモヤやイライラも忘れて
たまらなく幸せな気持ちになります。
そんなギー作りですが、実はとっても難しくて
火にかけすぎて焦がしたオイルは
逆に体にとって毒になってしまうので
できるだけ目を離さずに
「ここだ!」というタイミングで
火を止める必要があります。
綺麗に不純物が取り除かれたギーは
澄んだ黄金色になりますが、
このタイミングを逃すと
焦げた茶色のオイルになってしまうんです。
去年の成功、今年の失敗
写真だと少しわかりにくいのですが、
上の写真が1年前初めて自分で作ったギー。
下が今回作ったギーなのですが…
案の定、少し焦がしてしまいました。
準備も手順も火から上げるタイミングも
前回の反省を踏まえて完璧だと思っていたのに!
2回目の方が上手くいくに違いないと
なぜか信じ込んでいた私は
めちゃくちゃちゃんと凹みました。(笑)
でも同時に、去年のギー作りが
思った以上に上手くいっていたことに
そこで初めて気がついたんです。
1年前は「最初はこんなもんかな」
くらいにしか思っていなかったけれど
途端にその時の自分が誇らしく感じて
「それ初めてにしては超上出来だよ!!!」
と過去の自分に伝えたくなりました。
練習を重ねる、ということ
大人になると、子供だった頃に比べて
何度も何度も練習して、
それでもできなくて悔しくて、
やっとの思いでできるようになることって
少なくなる気がします。
子供の頃は、自転車もリコーダーも水泳も
着替えや歯磨きだって最初は上手くできなくて
「できなーーーい!!」って駄々をこねながら
少しずつ少しずつ
できることが増えていくけれど
大人になると
身の回りの色んなことは当たり前にできてしまう。
私自身も、何かを必死に練習したのって
いつだったろうと思います。
(教習所で初めて車に乗った時、何もかもできなさすぎて半べそかいたのを思い出しました。意外と最近でした。)
ギー作りも運転も、
「できるようになるには練習を重ねること」
を私に思い出させてくれる経験だったなと思います。
そしてそんな中
できない自分に納得がいかなくて
できるまでとことん練習し続けたくなる私にとって
「今日はここまで」
「今回の出来はこんなもん」と
途中経過の自分でいったん立ち止まることは
結構「我慢」なのですが
教習所じゃ実習の時間は限られているし、
完璧なギーができるまで
バターをもう1箱2箱買ってくる訳にもいかないので
それも
“ゆっくり時間をかけて前に進んでいく練習”
の一つなのかな、なんて思います。
すぐには分からない、ということ
そして今回もう一つ感じたのは
「すぐに分かることばかりじゃないんだなあ」
ということ。
何でも検索すれば
それなりの“答え”が分かる今の時代でも
「去年作ったギーが結構上手にできていた」ことは
この1年越しにしか分からなかったこと。
実はヨガでも同じような経験をしたことがあって
「このポーズができるようになりたいなあ」
と毎日毎日練習して
それでもなかなかできるようにならなくて
いつの間にか練習をやめてしまったのだけど
数ヶ月経って
「あ、そういえば」とやってみたら
ひょいっとできてしまったことがありました。
目に見える変化や
「よし、できた!」という結果は
分かりやすいし嬉しい。
反対に
目に見えない、すぐに分からないものは
モヤモヤしたり、不安になったり、
時にイライラ焦ったり。
それは、種を植えて芽がでるまで
芽が出て花が咲くまでは時間がかかることと
似ているような。
「きっと芽がでる。花が咲く。」と
水をあげたりあげなかったり
時々忘れたりもしながら
「なんとなく待ってみる」時間というのも
とても尊いものだなあと思います。
ヨガの練習も同じこと
ギーの話から
とりとめもなく書いてしまいましたが
“練習を重ねること” も
“すぐには分からないこと” も
私がヨガのクラスで大切にしていることと
実は重なります。
今日この瞬間、このクラスで
ポーズができているかどうかは
そんなに大切ではなくて
「今日はここが疲れてるな〜」
「ここをこのくらい伸ばしたら気持ちいいな」
「最近自分の時間をもててなかったかも」
そんなふうに
今のご自身の心や体の感覚に
耳を澄ましてみる時間そのものに
まずはとても意味があって
その時間をゆっくりと、
自分のペースで重ねた先に
「あれ、そういえば肩こり楽になってない?」
「前よりダウンドッグ気持ちいいかも」
「自分の時間もてるようになってきたな」
みたいな変化や前進がやってくるのだと思います。
そうやって、まずは
今ここにあるご自身の身体と
じっくりと向き合う皆さんとご一緒できる時間が
私はたまらなく好きだし
そんな皆さんの
ちょっと呼吸が変わった瞬間とか
いつもより表情がゆるんだ瞬間に出会うと
もう鳥肌が立つくらい、熱い思いになります。
今回焦がしてしまったギーは
教科書的には体に毒と分かりつつ
しっかり150cc使い切りました。
もったいないし、おいしいし。
また気が向いたら作ろうと思います。
その時はまた報告させてください!
それではまた次のブログで😊🍂
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ポーズの完成度よりも、
まずは “心地よさ”を大切にする
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